修道女たちもフツーの女の子な訳で 『天使たちのビッチ・ナイト』
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サンダンス映画祭に出品された異色作。タイトルにギョッとしないで欲しいのは、あくまでも原題が『THE LITTLE HOURS(真夜中すぎ)』だからである。
舞台は中世ヨーロッパ。緑深き森のなかにひっそりと建つ修道院。そこには訳ありの不良修道女たちが暮らしていた。お祈りやお勤めに忙しく過ごす昼間はさておき、その裏側では、父親の見栄で修道院に押し込まれていたり、修道院を抜け出して不可解な行動をとってみたり、馬鹿騒ぎをしたり。女子高的なノリのこの修道女たち、なんだか妙にイマっぽいのである。
そんな彼女たちの前に、修道院の小間使いとして雇われた男が現れる(もちろん美男子)。規則や規範に縛り付けられていたギャルたちの一揆が起こる。だって、神に仕える身である修道士も、真夜中/THE LITTLE HOURSは普通の女の子なのですから。
下ネタあり、ギャグもあり。でも不思議と下品すぎないのは14世紀の古典(デカメロン/ジョバンニ・ボッカッチョ)を下敷きにしているからなのだろうか。それとも清楚に見える修道服マジックに騙されているのだろうか。
(文/峰典子)