もやもやレビュー

寒い街の中であたたまる滋味深い群像劇 『ニューヨーク 親切なロシア料理店』

ニューヨーク 親切なロシア料理店(字幕版)
『ニューヨーク 親切なロシア料理店(字幕版)』
ゾーイ・カザン,アンドレア・ライズボロー,ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ,タハール・ラヒム,ビル・ナイ,ロネ・シェルフィグ,サンドラ・カニンガム,ロネ・シェルフィグ
商品を購入する
>> Amazon.co.jp

ニューヨークのマンハッタン、創業100年を超える古き良きロシア料理店「ウィンター・パレス」。といいつつも、オーナー(ビル・ナイ)は商売下手なため経営が傾いている。そんなところにたまたまかけこんでくるのがクララ(ゾーイ・カザン)という母親と、ふたりの息子たち。このクララがレストランを中心に、訳ありでちょっとおかしな人々と巡り会う物語である。

店を立て直すためにスカウトされたマネージャーというのが、刑務所を出所したばかりのマーク。どうも役に立ちそうにない。数少ない常連である看護師のアリスは、自分ではなく他人のために身を削る献身型タイプ。絶望的にポンコツで、仕事を次々にクビになってしまうジェフ。そして、複雑な事情を抱えて夫から逃げてきたクララと、彼女たち母子をなんとか助けようとする弁護士のジョン...。

デンマークの女性映画監督:ロネ・シェルフィグが脚本&監督した、現代のNYを舞台にした群像劇で、演出はかなり控えめ。レストランを舞台にした映画にしては、調理場のシーンも食事のシーンも少ない。だからこそ終盤、皆でテーブルを囲むシーンは、じんわりと心をあたためるものがあった。

(実際はカナダで撮影したそうだけれども)冬のニューヨークの半端ない寒さと反比例する、人の温かさ。そして、ビル・ナイの出演作にやはりハズレなし、と思ってしまう。

(文/峰典子)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム