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怒りと恨みはどう蓄積する?『アクリモニー:辛辣な復讐』

アクリモニー:辛辣な復讐 (字幕版)
『アクリモニー:辛辣な復讐 (字幕版)』
Taraji P. Henson,Lyriq Bent,Crystle Stewart,Tyler Perry,Tyler Perry,Mark E. Swinton,Will Areu,Ozzie Areu,Tyler Perry
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 タイラー・ペリーが監督&脚本を務めた映画『アクリモニー:辛辣な復讐』。タイトルのアクリモニー(Acrimony)は、「辛辣」「刺々しさ」を意味する単語で、女性の怒りと恨みの物語。

 美しい黒人女性ミランダは、タバコを吸いながら精神科医と話を始めます。彼女は、「責められるようなことは何もしていない」「忘れてしまいたいけど、すべて覚えていることが問題なの」と話しながら、ある男性との出会いを振り返ります。大学生のとき、ミランダは校内でロバートという機械工学専攻の学生と出会います。ミランダが母親を亡くした時、ロバートが彼女を支えたことがきっかけで、2人は恋に落ちます。しかしある時、ロバートが浮気。現場を目撃したミランダは怒りを抑えられず、彼が自宅として使っていたRV車に自動車で突っ込む事故を起こします。怒りにまかせ、車を何度も追突させ重傷を負ったミランダは、病院に運ばれ、子宮を摘出。子供が産めない体になってしまいます。しかし、ミランダはロバートへの愛は止められず復縁し、姉たちに反対されるも結婚。さらにミランダは、母親から受け継いだ遺産をロバートとの生活費や車、学費、そして彼の研究費などに費やしてしまうのです。気づくとお金はなくなり、働き詰めで18年経っていました。冷え切った関係に不安を持ったミランダでしたが、そんな中、ロバートは過去に一度浮気した女性とばったり再会します。

 ミランダは気が強くたくましく、そして強い女性。しかし、そんな彼女が恋に落ちてしまったことで、彼女の人生は一変。過去を振り返るシーンは、なんとも美しい恋愛映画のように描かれますが、カウンセリング時のミランダのナレーションも流れるため、このロマンスがとんでもない方向に進んでしまうというのがわかるユニークな演出になっていました。女性の復讐映画といえば『危険な情事』が有名で、それに勝るストーリーではないものの、主人公ミランダを演じたタラジ・P・ヘンソンのブチギレ演技は必見。また「盲目の恋は危険」だということを改めて感じさせられました。

(文/トキエス)

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