血がたぎるヴァイキングの復讐劇『ノースマン　導かれし復習者』

旅先でぼんやりと映画を見ていたら、ニコール・キッドマンとアニャ・テイラージョイが「ゲーム・オブ・スローンズ」みたいな雰囲気の「ハムレット」みたいな話の映画に出ている。これはなんだろうと調べてみると「ライトハウス」のロバート・エガース監督で、まったくノーチェックだったうえに、イーサン・ホークやビョークも出ていることがわかったので、後日あらためて見直してみた。

『ノースマン 導かれし復讐者』は9世紀のスカンジナヴィア地域を舞台に、子ども時代に父を殺された男が復讐を果たそうとする姿を描く物語。10歳で叔父に父を殺され、母を連れ去られた王子アムレートは復讐を誓い、ひとりで島を脱出する。数年後、彼は獰猛なヴァイキングの戦士となっていて...。

主人公である王子アムレート(演ずるはアレクサンダー・スカルスガルド/ちなみに吹き替え版は声・津田健次郎)は、スカンディナヴィアの伝説の人物「アムレート」をモデルにしているとのことだが、このアムレートが「ハムレット」の原型になったという説もあるようだ。

デビュー作である『ウィッチ』から『ライトハウス』にと、冷たく不吉で不穏な物語に定評のあるロバート・エガース監督。今作でも言わずもがな。
ビョーク演ずる魔女も想像を裏切らない仕上がりなので、ビョークファンもぜひ。

（文／峰典子）