もやもやレビュー

結末は口外厳禁!ドンデン返しが見事な法廷ミステリー『情婦』

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 『失われた週末』や『サンセット大通り』などで知られるビリー・ワイルダー監督の初の法廷ミステリー『情婦』。真実が二転三転し、驚くべき結末を持った本作は、印象的な実力はキャストやひねりのきいたストーリーで、第30回アカデミー賞にて計6部門にノミネートされました。

 アガサ・クリスティーの戯曲『検察側の証人』を原作とした本作は、有名な法廷弁護士のウィルフリッド・ロバーツ卿が、病気から回復し仕事復帰するところから始まります。彼は、専属看護師の強い反対を押し切り、新しい依頼人としてレナードの案件を引き受けます。レナードは、裕福な未亡人エミリー・フレンチを殺害した容疑をかけられていました。またエミリーはレナードに夢中になり、遺産の受け取り名義をレナードに書き換えていたのです。このようにレナードにとって不利な状況証拠が積み重なっていく中、レナードの唯一の希望は、ドイツ人妻クリスチーネの証言でした。彼女はレナードのアリバイを法廷で証言するはずだったものの、なんと彼女は驚きの告白をし始め......。

 本作の後編では、たたみかけるように"衝撃的な秘密"が明らかに。「どんでん返し系映画」をたくさん見てきた私にとっても、かなりの衝撃でした。本作のエンディングは「まだこの映画をご覧になっていない人により楽しんでいただくため、結末の秘密を誰にも漏らさないように」というメッセージで締めくくられています。このメッセージは、アガサ・クリスティの"マジック"にかかった直後に興奮を煽るような演出で、これほどまでの最高な結末はないんじゃないのかと、映画ファンとして熱くなってしまいました。「衝撃的な結末」を求めている方に強くお勧めしたい一本です。

(文/トキエス)

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