"ドンデン返し"が多すぎるとどうなる?『ワイルドシングス』
- 『ワイルドシングス (字幕版)』
- ケビン・ベーコン, マット・ディロン,ネーブ・キャンベル,テレサ・ラッセル,ビル・マーレイ,ダフネ・ルービン=ベガ,デニース・リチャーズ,ジョン・マクノートン,Steven A. Jones,Rodney Liber
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『スクリーム』シリーズのネーヴ・キャンベルやケヴィン・ベーコンなどが出演した1998年の映画『ワイルドシングス』。いわゆる「ドンデン返し系映画」に分類される本作ですが、 "ドンデン返し"が多すぎることで、純粋に驚くことができなくなる"残念な結末"になっていました。
主人公のサム・ロンバートは、「ベスト・ティーチャー」に選ばれるなど、信頼を得ている人気教師。そんな彼に恋心を持つ生徒のケリーは、サムの車を洗うと提案し、彼の家へと(半ば強引に)訪れます。後日、ケリーはなんとサムにレイプされたと訴えます。大富豪の娘ケリーの告発はニュースでも大々的に報じられました。無実を訴えるサムでしたが、サムと仲が良かった生徒スージーもサムからレイプされたと告発する始末。裁判が始まるなか、サムが雇ったボウデン弁護士の鋭い尋問が、裁判の行方に影響を及ぼします。
「失恋したケリーが、復讐としてサムを告発したのではないか」......簡単に推測できるその展開をもっと予想外にしていく本作。その"予想外の展開"が、さらなる予想外の展開を生むことで、純粋に驚くことができるのは中盤あたりまで。「なんでもあり」な世界観になってしまっているのが残念ポイント。しかし本作では前述したネーヴ・キャンベルやケヴィン・ベーコン、そしてビル・マーレイの演技が光ります。ちょっと残念な脚本なのに、見事キャラクターに存在感を与える彼らは真の役者なのだと思いました。
(文/トキエス)