もやもやレビュー

70年代名作ホラーの忠実リメイク『オーメン』

オーメン666 (字幕版)
『オーメン666 (字幕版)』
Julia Stiles,John Moore
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70年代に"悪魔の子ども"ダミアンを描き話題となった名作ホラー『オーメン』。その前日譚となる映画『オーメン ザ・ファースト』が今年4月に日本でも公開されました。新作鑑賞前に『オーメン』についてサクッとおさらいしておきたい!という方におすすめなのが、2006年の『オーメン』(『オーメン666』)。1976年のオリジナル版を忠実にリメイクしています。

 本作は、バチカンの展望台で、すい星が発見されるシーンからスタートします。主人公は、アメリカ人外交官のロバート。彼は、妻が出産する病院へと急行していました。しかし妻キャサリンの赤ちゃんは死産してしまい、さらにキャサリンの子宮が傷つき、子どもが産めない体になってしまったことをロバートは告げられます。そこで病院側から、赤ちゃんを養子として迎え入れることを勧められたロバート。妻の精神的ダメージを考え、ロバートはキャサリンに内緒で養子を自分たちの子どもだと主張し育てることに。その子どもはダミアンと名付けられ、病気一つせず成長していきます。しかしある日、ガーデンパーティが行われたとき、乳母がみんなの前で「これはダミアンのためよ」と言いながら首吊り自殺する事件が発生し......。

 本作では、不幸な偶然が重なり、なんともおぞましい形でロバートの周囲の人が死んでいくシーンが描かれています。少々グロテスクなシーンが続きますが、オリジナル映画のキャラクターとストーリー設定からはみ出ることなく描いていくので、鳥肌が思わず立ってしまうのが◎。ちなみに70年代の映画でダミアンを演じたハーヴェイ・スティーブンスは本作にタブロイド紙の記者役で出演。そんな原作ファンにはたまらない"隠しネタ"もある本作。また、105分とサクッと見られる長さなので、新作チェック前にぜひみて見てください。

(文/トキエス)

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