『エール!』を観て、自分の気持ちに正直に生きようと思った。
- 『エール!(字幕版)』
- ルアンヌ・エメラ,カリン・ヴィアール,フランソワ・ダミアン,エリック・エルモスニーノ,ロクサーヌ・デュラン,イリアン・ベルガラ,ルカ・ジェルベール,エリック・ラルティゴー,ヴィクトリア・ベドス,スタニスラス・カレ・ド・マルベルグ,エリック・ラルティゴー
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本作は、2014年製作のフランス映画です。また、2022年のアカデミー賞作品賞などにノミネートされた『Codaコーダあいのうた』で英語版にリメイクされました。
フランスの田舎町で酪農業を営むベリエ家は、高校生の長女ポーラ(ルアンヌ・エメラ)以外、父も母も弟も耳が聴こえません。
ある日、ポーラの歌声を聴いた音楽教師のトマソン(エリック・エルモスニーノ)は、その才能を見出し、パリの音楽学校のオーディションを受けるよう勧めます。しかし、ポーラの歌声を聴くことのできない家族は反対します。
家族のために犠牲になることも多い中、自分のやりたいことがやっと見つかりその道に進みたいポーラと、遠くに行ってしまう娘と離れ離れになる寂しさや手話通訳をしてくれるポーラに頼っていた家族の不安など、それぞれの気持ちが痛いほど伝わります。
でも皆、自分のやりたいことに正直だし、それをちゃんと相手に伝えたり、行動に移しているところがすごいなと思いました。
例えば。お父さん(フランソワ・ダミアン)は、耳が聴こえないことも個性だと言って村のために村長選に立候補したり。お母さん(カリン・ヴィアール)も弟もそれを迷いなく応援したり。ポーラにしても、家族のことを考えて、迷いながらも、パリでのオーディションを受けるため練習を始めたり。
ポーラが恐る恐るオーディションのことを打ち明けるところも、反対する家族が初めてポーラの歌う舞台を観る場面も、お父さんがポーラの喉に手を当てて娘の歌声の素晴らしさを体感しようとするシーンも、とても引き込まれるものがありました。
障害があってもなくても、自分の気持ちに正直に生きること、また、それをきちんと伝えることの大切さを感じられる本作です。
人気のオーディション番組で選ばれ、"奇跡の歌声"と称賛されたポーラ役のルアンヌ・エメラが手話と共に歌うラストシーンは、号泣必至です!
(文/森山梓)