もやもやレビュー

男女の友情は成立するか?その答えがここに 『恋人たちの予感』

恋人たちの予感 (字幕版)
『恋人たちの予感 (字幕版)』
ビリー・クリスタル,メグ・ライアン,キャリー・フィッシャー,ブルーノ・カービィ,Nora Ephron,ロブ・ライナー,Rob Reiner,Nora Ephron,Steve Nicolaides,Andrew Scheinman,Jeffrey Stott
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 メグ・ライアン主演の1989年映画『恋人たちの予感』。スマホもSNSも存在しない30年以上も前の作品なのに、現代を生きる私たちも「わかる!」と共感してしまう"恋愛における悩み"を映し出したシーンがたくさんあって、長年多くの人から愛されている理由がわかりました。

 大学生のサリー・オルブライト(メグ・ライアン)は、親友の恋人ハリー・バーンズ(ビリー・クリスタル)と車を相乗りして、ニューヨークに向かうことに。恋人がいるにも関わらず、サリーに対して「魅力的だ」と褒めるハリー。サリーはこれをよく思わず、車からハリーを降ろして別れました。そこから5年後、恋人とキスしているところを偶然ハリーに見られたサリー。このように偶然再会したことによって、友人関係となっていき......。

 本作は「男女の友情は成立するのか」、そして「セックスは男女関係の友情を壊すのか」という誰もが一度は考えたことのあるテーマがメインで描かれています。本作ではサリーとハリーが出会ってから10年という月日を通して2人の成長が描かれていますが、第一印象最悪だった2人が、ケンカをしたり、支え合ったりして、友達関係から発展していく様をリアルに描いています。本作で興味深かったのは、サリーの「女性は誰でもオーガズムに達する演技をしたことがある」という主張に、ハリーが納得いかないというシーン。レストランでこの会話は繰り広げられ、サリーはオーガズムに達する演技をレストランで披露するのです。

 ちなみにこのシーンはかなり有名となり、舞台となったニューヨークのレストラン「カッツ・デリカテッセン」は観光名所に。わたしもニューヨークに観光に行ったときに海外のおすすめスポットを探していたら「このレストランで、サリーのようにフェイクオーガズムを演技する女性が多い」という記事を見かけました。果たして異性は友達になれるのか......とてもリアルな男と女の本音が詰まった本作は、現在の恋愛術にも活かすことができそう。

(文/トキエス)

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