もやもやレビュー

飛び降り自殺の裏にある計画とは『崖っぷちの男』

崖っぷちの男 (字幕版)
『崖っぷちの男 (字幕版)』
サム・ワーシントン,マンディ・ゴンザレス,アンソニー・マッキー,ジェイミー・ベル,パブロ・F・フェンヤヴェシュ,アスガー・レス,ロレンツォ・ディボナヴェンチュラ
商品を購入する
>> Amazon.co.jp

 『アバター』シリーズなどで知られるサム・ワーシントンが、高層ビルから飛び降り自殺しようとする男を演じた『崖っぷちの男』。一見、暗いドラマにも思えるようなジャケットですが、実はハラハラドキドキが詰まった、まるで『ミッション:インポッシブル』シリーズのような展開の一本でした。

 サム・ワーシントンが演じるニック・キャシディは、窃盗罪で有罪判決を受けた元警官。前科者である彼は、マンハッタンのミッドタウンにあるルーズベルト・ホテルにチェックインし、ルームサービスを注文した後、窓から外に身を乗り出して飛び降りようとします。みるみるうちに野次馬が集まり、大騒動となる中、ニックは刑事のリディア・マーサーを指名し、「彼女を連れてこないと30分以内に飛び降りる」と言い張るのです。リディアは過去にも警官の飛び降り自殺を説得しようとした人物。彼女はその説得に失敗したことによるトラウマを抱えています。リディアはニックをなだめようとするのですが、ニックの目的が「自殺」ではないと気づき始め......。

 冒頭は、ニックの目的がわからないことで、そのスリルに夢中になっていきますが、その後はニックの飛び降り自殺騒動の裏で動いている「ある計画」にフォーカスされ、それは前述した通り『ミッション:インポッシブル』のような展開に。暗いドラマを欲している人が見ると、「残念な展開」とも言えるこのストーリーですが、スリルを味わいたい人はぜひ。

(文/トキエス)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム