盲目の少女が知った"禁断の森"の正体『ヴィレッジ』

　M・ナイト・シャマラン監督の2004年の映画『ヴィレッジ』。現在は『ジュラシック・ワールド』シリーズで知られるダラス・ブライス・ハワードが、新人女優だった頃に主演に大抜擢され、盲目の少女を演じた作品です。本作は、住民たちが自給自足をしている19世紀末の孤立した村が舞台。この村は、恐ろしい森に囲まれているのですが、その森の正体にあっと驚かされました。

　盲目の少女アイビーが暮らす小さな村では、医療が発達しておらず、小さな子どもが亡くなってしまいます。村で最も勇敢な青年ルシウス（ホアキン・フェニックス）は、村を囲む森を抜け、町に行き、薬を持ち帰りたいと年長者たちに許可を求めに行きますが、その願いは叶いませんでした。なぜなら、森には恐ろしい怪物が......。年長者たちは、必死にその怪物から村人たちを守っていたのです。しかしその一方、ルシウスはこの村には大きな秘密が隠されていると不信感を募らせていく。そんな中、事件が起き、ルシウスは重傷をおってしまいます。ルシウスと恋に落ちていたアイビーは、恐ろしい森を抜け、薬を持って帰ることを決意します。

　アイビーが暮らす村の"世界"と年長者たちが抱く"恐怖"、この２つの要素で構成された本作は、緊張感のあるサスペンススリラーに仕上がっています。ブライス・ダラス・ハワードやホアキン・フェニックスのほか、エイドリアン・ブロディ、シガーニー・ウィーバーなど、実力派俳優たちの演技によって物語の緊張感がより一層高まっているのも本作の見どころ。森に住む怪物の正体を知ると、これがどんでん返しストーリーが得意なM・ナイト・シャマランの作品であることに改めて気付かされました。ちなみにIMDbによると、盲目のアイビーが使う杖を作ったのは、ルシウスを演じたホアキン・フェニックスだったそう。2人の純愛も本作で描かれているのですが、きっと役作りの役に立ったに違いないですね。

（文／トキエス）