旅欲をそそられます!『恋恋豆花』
- 『恋恋豆花』
- モトーラ世理奈,大島葉子,椎名鯛造,利重剛,いしかわ彰,今関あきよし,嶋田豪
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数年ぶりにコロナ規制が緩和されたこの夏。お盆休みや夏休みなどで旅行に行った人も多いのではないでしょうか。本作は家にいながらも旅行気分が味わえました。
行先は台湾。大学生の奈央(モトーラ世理奈)は、父(利重剛)の提案で、父の3度目の結婚相手である綾(大島葉子)と台湾旅行をすることになります。
奈央は、父の再婚相手というだけで、よく知らない年上の女性との海外旅行に不満を抱えます。一方の綾は、これを機に、自身の娘となった奈央とコミュニケーションをはかり、旅も思いきり楽しもうとします。
そんなチグハグな想いを抱えた親子の旅でしたが、台湾の絶景や、魅力的なグルメやスイーツに、夜市など活気ある街並み、また、旅先での様々な人との出会いを通して、二人の旅はとても味わい深いものになっていきます。
とりわけ、"食"に関して、本当にどれもこれもおいしそうで食欲をそそられます。魯肉飯(ルーローハン)、肉圓(バーワン)、紅豆餅(ホンドウビン)に、タピオカミルクティーやマンゴーかき氷などなど、書いているだけでも思わずよだれがでてきます。特に、奈央が気に入ったのは豆花(トウファ)というスイーツでした。そのおいしそうに食す姿は、こちらまで幸せな気持ちになりました。
また、奈央は、清太郎(椎名鯛造)というバックパッカーとときめく出会いがあったり、母・綾の知らなかった素顔を知っていったり、ひょんなことからモデルを経験してみたりと、この旅ならではの経験をたくさんします。
彼氏とうまくいかず、大学の授業もさぼりがちで中退を考えたりと悶々と悩んでいましたが、日常を離れたところで俯瞰してみることで、自分と向き合うとても意義のある旅ともなったのでした。
旅っていいなと思わずにはいられない本作です。
(文/森山梓)