もやもやレビュー

トム・ハンクスが不機嫌な男を演じる『オットーという男』は心癒される物語

オットーという男
『オットーという男』
Tom Hanks,Rachel Keller,Manuel Garcia-Rulfo,Mariana Treviño,Truman Hanks,Mike Birbiglia,David Magee,Marc Forster,Tom Hanks,Rita Wilson,Fredrik Wikström Nicastro
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 これまで『フォレスト・ガンプ/一期一会』や『ターミナル』など、愛されキャラを演じてきた名優トム・ハンクス。そんな彼は最近『エルヴィス』で強欲マネージャーを演じ、ダークなキャラでも高評価を受けています。そして今回紹介する『オットーという男』で彼が演じるのも、"愛されキャラ"とは真逆な存在、「不機嫌な頑固じいちゃん」。しかし、そのオットーを囲む物語に、心が癒されました。

 トム・ハンクス演じるオットーは、町で一番の嫌われ者で、金物屋でロープを買う時も、数セント値切れないかどうかで店員と口論をくり広げます。そんな彼は、愛する妻に先立たれたことから自殺を試みますが、うまくいかず......。そんな中、向かいに妊婦マリソルと夫トミー、そして小さな子ども2人が引っ越してきます。移民であるマリソルは、オットーの家にご飯を持って行ってあげるなど、何かとオットーとの交流を深めようとします。自殺しようとしているオットーの生活に(いい意味で)ずかずかと割り込んできて、ちょっとした混乱をもたらす。そんな素敵な活気を与えていくマリソルたち。次第にオットーも彼らを手伝うようになり......。

 本作では、"嫌われ者"オットーが、隣人たちと交流していく姿をメインに描いている一方で、オットーと先立たれた妻とのラブストーリーも描かれています。自殺を試みるシーンが多いことから、ダークな映画かなと思いましたが、意外と気楽に見られるし、笑顔にもなれるそんな不思議な作品でした。

(文/トキエス)
 

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