スティーブン・キングが脚本を手がける"ゾンビ映画"『セル』

『シャイニング』や『IT』など数々のホラー小説を生み出してきた"ホラー界の巨匠"、スティーブン・キング。彼の小説が原作のアクションホラー『セル』を今回はご紹介。本作はなんと、スティーブン・キング本人が脚本を手がけています。

　主人公は、ジョン・キューザック演じるコミック作家のクレイ。彼はボストンの空港で妻に電話をかけていたのですが、突如携帯電話が繋がらなくなり、公衆電話を使うことに。そしてクレイが顔を上げると、なんと人々が発作を起こし、攻撃的になり、カオス状態に......。他人を誰彼かまわず包丁などで惨殺するものや、自分自身を傷つけ始めるものなど、人々は泡を吹きながら異常な行動を起こしていました。空港の騒乱の中、クレイはなんとか地下に逃げ込み、地下鉄の車掌トム（サミュエル・L・ジャクソン）の協力のもと、妻と息子の無事を確認するためにニューハンプシャーを目指します。

　異常を起こしていた人々の共通点、それは携帯電話を使っていたこと。携帯電話から、何かしらの影響を受けた人々は、集団で移動したり、夜には静かになったりと、ある特定の行動をすることが明らかに。クレイとトムは、その特徴を掴みながら必死に生き延びようとします。

　ゾンビ映画といえば、何かしらのウイルスが人から人へ（噛まれて）感染するという描き方が圧倒的に多いですが、本作は携帯電話という日常で誰しもが手放せなくなっているアイテムから感染が起きるというユニークなストーリーに仕上がっています。しかし、"ゾンビ映画"慣れしてしまっている人には、スリルが少し足りないのが残念。ネットでは「原作のように上手く描かれていなくて残念」という声が多く上がっているため、話をもっと深く知りたいという人は原作を手に取ってみてはいかがでしょう。

（文／トキエス）