人気シリーズ5作目『フォーエバー・パージ』の"残念ポイント"とは
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レナ・ヘディとイーサン・ホークが出演、瞬く間に人気を博した映画『パージ』シリーズ。これまでドラマシリーズが製作されるなど、制作された続編はそれぞれ異なるプロットとキャラクターで、独自の変化を遂げていました。そんな人気シリーズの第5弾である『フォーエバー・パージ』は、タイトル通り、これまで殺人を含むあらゆる犯罪が合法になる"パージ"法が、永遠に続くという、これまでになかったルールチェンジが描かれています。
主人公のアデラとフアンは、メキシコからアメリカに移住し、新しい生活に馴染もうとしていました。アデラはアメリカに対して楽観的ですが、その一方でフアンは不満が募るばかり。そんな中アデラは、アメリカの"良い面"を見つめるように説得し、英語の勉強もフアンに薦めるのです。アデラが工場で働く一方、フアンは裕福な一家の牧場で馬を世話する仕事をしていました。
そして、殺人を含む全ての犯罪が合法になるパージの日がやってきますが、無事に生き抜けたアデラとフアン。しかし、次の日に働きに行くと人の数は少なく、さらにはパージが終わっているハズなのに、「パージ・フォーエバー」を掲げ、白人至上主義の人や困窮した人々が大暴れ。果たして誰が「パージ・フォーエバー」を始めたのか、そしてフアンやアデラは無事に生き延びることができるのでしょうか......?
せっかくアメリカに移住してきたアデラとフアンが、パージから逃れるためにメキシコに避難しなければならないという、なんとも皮肉なストーリーが描かれている本作。スリルも十分にありますが、これまで前作で描かれていた「パージ」のルールが無視されてしまったことで、この先どうなっていくのか、もはや映画の重要な要素が欠陥しているのではないか?と思ってしまう面もありました。本作の重要なメッセージは、差別は良くない......というものだと思いますが、それ以外にグッとくるところがないのは残念なポイントでした。
(文/トキエス)