アナログ特撮の愛しさが詰まった痛快コメディ『特撮喜劇 大木勇造 人生最大の決戦』
『特撮喜劇 大木勇造 人生最大の決戦』 2022年12月9日(金)より池袋 HUMAXシネマズ ほか全国順次ロードショー
当BOOKSTAND映画部!でも執筆してくださっている田中元さんの脚本家デビュー作品『特撮喜劇 大木勇造 人生最大の決戦』が、12月9日(金)よりいよいよ公開です!
『トラック野郎』シリーズの鈴木則文監督の愛弟子であり、「ウルトラマンギンガ」などの特撮作品を多数手がけてきた石井良和監督による本作。石井監督が愛する「怪獣着ぐるみ」をはじめ、ギャグ、アクション、ミュージカルなど、さまざまなエンターテインメント要素(石井節)が詰まったコメディ作品となっています。
コロナ禍で業績が低迷した会社から、突然リストラされてしまった自称エリート・大木勇造が主人公。慌てて再就職した会社「ギャラクシー商会」でしたが、同僚たちはとにかく癖が強すぎる奇っ怪な面々ばかり。そんな彼らに翻弄されながらもマジメに仕事に取り組む大木でしたが、彼女にもフラれてしまい自暴自棄に。そんななか、突如として巨大怪獣が出現し......!?
「カンザスシティ・アンダーグラウンド映画祭(KCUFF)」での最優秀長編映画 審査員賞をはじめ、「ブエノスアイレス・ロホ・サングレ(BARS)」「アナザー・ホール・イン・ヘッド映画(AHITH)」などでも入選を果たした本作。その脚本を手がけた田中元さんに、映画制作の裏話や見どころなどを教えていただきました!
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----脚本を担当されたきっかけを教えてください。
数年前にある映画に脚本参加することとなり、その際に製作サイドから演出を依頼していたのが石井良和監督でした。結局その作品は実現することがなかったのですが、のちに石井監督から「自身の思いを込めた作品を作りたいから手伝ってほしい」とお声がけいただき、今回の作品へと結実いたしました。※本作は石井良和監督が原作、石井監督と私・田中による共同脚本作品となります。
----執筆時のエピソードを教えてください。
監督とのシナリオ作成のための打ち合わせは常に池袋や渋谷で直接会って行っていました。当初はやや小さめの喫茶店での打ち合わせがメインだったのに対し、コロナ禍ということもあって風通しの良さそうな広々とした喫茶店に変えたり、時にはデパートの屋上だったりと、あちらこちらを移動しながらの作業となりました。
また、執筆の参考として監督のイメージ元となる映画を多数見ることとなり、本作に関わらなければ見なかった作品や、すっかり忘れていた作品の再鑑賞、再評価などにもつながり、より幅広く映画を楽しめるようになった気がします。
----鑑賞時、特に注目してほしいところは?
本作のために製作した怪獣の着ぐるみと、もはや消滅しつつあるアナログ特撮場面、バカバカしさに振り切った俳優陣の怪演の数々を楽しんでいただければと思います。
また、日活唯一の怪獣映画『大巨獣ガッパ』(1967)に子役として出演し、その後も高倉健さんや勝新太郎さんとも共演歴のあるレジェンド町田政則さんや、石井監督が手がけた『ウルトラマンギンガ』に出演されたご縁でゲスト出演いただいたスター野村宏伸さん、本作が映画初出演となるヒロイン役の元HKT48の草場愛さんら、豪華出演者にもご注目を。
----本作が脚本家としての劇場デビュー作。完成した作品をご覧になってどんなお気持ちになりましたか?
もともと映画鑑賞が趣味で、学生時代には自分でも自主映画を撮っていた経験もあるので、映像を思い浮かべながら脚本執筆をしているのですが、石井監督自身の強烈なイメージが増量された映像は想像を軽々と超えるものでした。
これまでの習作は基本的に自分自身のアイデアからスタートして単独で執筆したものばかりですが、本作のように依頼があって参加するという形は予想外のものが出来上がる面白さがあるな、と思わされました。
----最後に、読者の皆さまへメッセージをお願い致します。
まずは娯楽に徹した作品自体をお楽しみください。普段、BOOKSTAND映画部!で映画レビューを書かせていただいておりますが、脚本家としてはどうなのか?という視点でご鑑賞いただいても......お手柔らかにどうぞお願いいたします。
また、私自身は本作で脚本家デビュー、51歳とかなり遅咲きですが、今後はこれで食べていければとも思っておりますので、機会があればお声がけなどもいただければ幸いです。
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まだまだ終わる気配のないコロナの世界。不景気もとどまるところを知らず、明日の自分が、社会がどうなるのか、不安にならない人はいないのではないでしょうか。
そんなコロナ禍で没落した、元・自称エリートの踏ん張りも見どころの本作。ちりばめられたギャグに笑い、マスクが好物な!?怪獣にワクワクしながらも、いつしか"行動する勇気"をもらえていたりします。相変わらずほぼコロナで終わった2022年の年末に、ぜひ劇場へ来年への活力を養いにいきましょう!! そしてみんなで「くねくね体操」を踊ろう!
(文/BOOKSTAND映画部!)
『特撮喜劇 大木勇造 人生最大の決戦』
2022年12月9日(金)より池袋 HUMAXシネマズ ほか全国順次ロードショー
監督:石井良和
脚本:田中元、石井良和
出演:藤田健彦、町田政則、藤崎卓也、斉木テツ、草場愛、前田ばっこー(瞬間間メタル)、豊田崇史、行永浩信、中條孝紀、石井花奈、杉山裕右、野村宏伸 (特別出演)
配給:Cinemago
2022/日本映画/88分
公式サイト:https://www.cine-mago.com/yuzo
©️チーム ベター トゥモロー