新たなおみおくり映画『アイ・アム まきもと』
『アイ・アム まきもと』 9月30日(金)全国公開
第70回ヴェネツィア国際映画祭で監督賞を含む4賞を受賞した、ウベルト・パゾリーニ監督・脚本『おみおくりの作法』をベースに、オリジナルの新たな主人公像で作られたのが『アイ・アム まきもと』である。
癖の強い主人公まきもとを演じたのは阿部サダヲ。
監督は『謝罪の王様』『舞妓Haaaan!!!』、TVドラマ『Woman』『Mother』などを手がけた水田伸生。阿部サダヲとは4度目のコンビとなる。共演には満島ひかり、宇崎竜童、松下洸平、でんでん、松尾スズキ、坪倉由幸、宮沢りえ、國村隼ら豪華キャストが名を連ねる。
まきもとの癖が強いキャラクターに最初はなんだこの人は...と置いていかれ感があったはずなのに、いつしかこの人次はなにをするんだろうと興味が湧いてくる。
全く空気が読めない、全然人の話を聞かない、なかなか心を開かない。
人間の「死」を通して、ちょっと迷惑な男が"まき"起こす奇跡のストーリー。
劇中で牧本は身寄りがなく独りで亡くなった方を無縁墓地に埋葬する、おみおくり係という仕事をしている。鑑賞時は仕事としてあまりピンとこなかったが、鑑賞後にゆっくりと考えた時に結婚しない人が増えて、核家族化が進み、高齢化社会が問題になっている現代の日本では確実にこのような事例は増加していく。今後、孤独死が増えない対策を検討していかなくてはならないと思った。
真面目な話題ながらもどこか笑える「まきもと」のちょっと迷惑なおみおくりのルール3カ条とは
①葬儀は絶対にやる (たとえ遺族が求めてなくても)
②参列者をなんとしてでも探しだす (たとえ身寄りが無いと警察に言われても)
③納骨はギリギリまでしない (たとえ置き場所がなくても)
この3か条のおかげでひとつのドラマが生まれる。一緒に働くには大変なこともあるだろうなと思うまきもとの言動。だけど、亡くなった方に最期にしてあげられることを全力でする姿は輝いてみえた。
ちょっと迷惑な男が"まき"起こす奇跡のストーリー。是非、劇場で。
(文/杉本結)
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『アイ・アム まきもと』
9月30日(金)全国公開
監督:水田伸生
出演:阿部サダヲ、満島ひかり、宇崎竜童、松下洸平、でんでん、松尾スズキ、坪倉由幸(我が家) /宮沢りえ、國村隼
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2022/日本映画/104分
公式サイト:https://www.iammakimoto.jp/
@2022 映画『アイ・アム まきもと』製作委員会