もやもやレビュー

ロビン・ウィリアムズが演じる孤独で"危険"な男性『ストーカー』

ストーカー (字幕版)
『ストーカー (字幕版)』
Robin Williams,Connie Nielsen,Michael Vartan,Gary Cole,Eriq Salle,Mark Romanek,Mark Romanek,Jeremy W. Barber,Robert Katz,Pamela Koffler,Robert B. Sturm,Christine Vachon,John Wells,Stan Wlodkowski
商品を購入する
>> Amazon.co.jp

 ディズニー映画『アラジン』や『ミセス・ダウト』など陽気なキャラクターを演じることで知られている名俳優ロビン・ウィリアムズ。この世を去ってしまったなんて今でも信じられないほど偉大な存在だった彼は、陽気なキャラ以外にも不気味で怖い役も演じていました。それは2002年の映画『ストーカー』。本作でロビンは、孤独でどこか不気味な中年男性を演じています。

 ロビン演じるサイが働くのは、大型スーパーの中にある写真現像ショップ。今日も常連客のニーナが写真の現像をしにやってきます。サイは、ニーナの息子が誕生日だということを知り、無料で使い捨てカメラをあげたり、ニーナのプリントが大型写真なのにも関わらず追加料金を取らなかったりとお店の売上を考えずにやりたい放題。いつも笑顔でおとなしいサイですが、実は裏の顔。それは、ニーナが撮影した彼女の一家の写真をこっそりと焼き増しして自分の部屋の壁一面に飾っていたのです。ある日、サイはスーパーのオーナーから売上金額の計算が違うと呼び出され、クビを言い渡されてしまい......。

 クビを言い渡され意気消沈していたサイ。最後の仕事をしているときに、ニーナの旦那が不倫相手と写真撮影をしていることを知り、激怒します。自分にはない「幸せな家族」を持つ者が、それを壊すなんて許せない......そんな考えでニーナの旦那への恨みが増していくのでした。ちなみに本作は、日本がちょくちょく垣間見える作品でもありました。例えば、サイの同僚がヨシという名前のアジア人だったり、ニーナの子供が欲しがるおもちゃが「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクターのフィギュアだったり(子供やサイがエヴァンジェリオンと発音しているのが気になる)、サイが意気消沈してスーパーのベッドの上で座り込むシーンにはハローキティがいたり......。日本っぽさも少し混じっているこの映画。サイの優しさが狂気に変わっていく姿は必見です。予測不能なだけにスリル満点で、最後まで目が離せないストーリーです。

(文/トキエス)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム