もやもやレビュー

"母の勘"か"幻覚"か『ヴィジョン/暗闇の来訪者』

ヴィジョン/暗闇の来訪者(字幕版)
『ヴィジョン/暗闇の来訪者(字幕版)』
アイラ・フィッシャー,アンソン・マウント,ジリアン・ジェイコブズ,ジョアンナ・キャシディ,エヴァ・ロンゴリア,ケヴィン・グルタート,ジェイソン・ブラム
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 『ソウ』シリーズに携わり、『ソウ6』で監督デビューを果たしたケヴィン・グルタートがメガホンをとった映画『ヴィジョン/暗闇の来訪者』。妊婦に起こる不可解な出来事をスリリングに描いた本作は、観客を惑わせるトリック満載の一本でした。

 主人公は、とある交通事故で一命をとりとめたイヴリー。事故後、目を覚ました彼女は夫から「もう大丈夫だ」と言われるも、相手の自動車に乗っていた赤ちゃんが亡くなったことを知り絶望します。このトラウマ的事件からPTSDに悩まされていたイヴリーですが、夫と田舎へと引っ越し、やがて妊娠します。イヴリーを支える夫は、彼女の名前をつけたブドウ園を経営することを決断し、なんとかイヴリーに幸せになってほしいと願います。しかし、引っ越してきたその家で幻覚を見るようになったイヴリー。突然ワインのボトルが割れたり、銃声を聞いたり、椅子が勝手に動いたり......。イヴリーは妊婦ヨガ教室で出会い友人になったセイディーに相談すると「母の勘が働いたのでは?」と言われます。

 抗うつ剤を飲んでいたイヴリーは、妊婦になったことをきっかけに薬を飲むことをやめます。それと同時に奇妙なことが発生。果たしてセイディーが言うような「母の勘」というものなのか、それか薬をやめたことによるイヴリーの幻覚なのか、はたまた新たに住み始めた家が呪われているのか......。この3つのダウトを持って本作を見進めていくと、後半には驚きの連続。これまで数々の衝撃的展開の作品を生み出してきたブラムハウス。「ブラムハウス作品だから見てみよう」と手に取った人の期待を裏切らない作品になっています。衝撃的結末が好きな方はぜひ。

(文/トキエス)

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