もやもやレビュー

危機的状況でも童貞は童貞『ゾンビワールドへようこそ』

ゾンビーワールドへようこそ [DVD]
『ゾンビーワールドへようこそ [DVD]』
タイ・シェリダン,ローガン・ミラー,ジョーイ・モーガン,サラ・デュモン,パトリック・シュワルツェネッガー,デヴィッド・ケックナー,クロリス・リーチマン,ハルストン・セージ,クリストファー・ランドン
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 ゾンビにしろワニにしろサメにしろ、娯楽として及第点に達している作品というのは極めて少なく、視聴すると大体地獄の荒野を彷徨っているような気分になる。本作も微妙なタイトルにやる気のないパッケージと、約束された地雷の臭いがプンプンしていたが予想に反し佳作であった。下品でくだらないのは凡百のB級映画と同様だが、それがエンタメとして成立している点が優れている。

 冴えないボーイスカウトの男子高校生3人組がキャンプ場を抜け出してクラブへ行くとゾンビ化した住民が襲撃。間一髪で美女のウエイトレスに助けられ、彼らはボーイスカウトの技能を駆使し立ち向かっていく――というあらすじ。
 危機的状況の中でも、胸や下着に意識を奪われる童貞の男子高校生らしいネタをちょくちょく挟んでくる。大体、3人組と同行しているウエイトレスはホットパンツにタンクトップといういで立ちで、制作陣は思春期を拗らせたのだろうなぁと思わず笑ってしまう。
 ふざけたネタばかりでなく、ゾンビたちにも個性を付与したりゾンビの造形を医学的に正確なものにしたりと細かい演出を施している。こうしたギャップがあるからこそ、ぼんやりと視聴していても面白いと感じることができるのだろう。

 シュワルツェネッガーの息子や期待の若手俳優が出演していながら良い意味でB級映画感満載というのはすごい。気取ったところが一つもなく、ひたすらバカでどうしようもない下ネタが連発されているので視聴者を選ぶかも知れない。もっともゾンビ映画の主な視聴者は作中のボンクラ高校生とさして変わらないため問題ないだろうが。

(文/畑中雄也)

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