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人生の転機にみたい映画!『ライフ・イット・セルフ』

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「ファミリーツリー」という言葉を知っているだろうか? 樹形図、家系図といった意味だが、今の「自分」がいるのは両親が出会ったからで、祖父と祖母が出会ったから親は存在する。当たり前のようなことだが、そこには一人一人様々なドラマがある。そして、そのドラマは自分にも自分の子供にもいつかはやってくる。そのドラマは楽しい出来事ばかりではない。苦しいときも存在する。この映画はそんな一つのファミリーツリーをのぞかせてもらったような作品だ。

5章からなるストーリーには、たくさんの登場人物が出てくる。特に1〜4章までの繋がりのなかった物語が交わる瞬間を優しく語りかけるように振り返る第5章は、この作品の見所だろう。
そして、ノーベル文学賞を受賞しているボブ・ディランの数々の名曲と共に描かれる悲劇と深い愛の物語。楽しいだけが家族ではない。苦しいだけが家族ではない。「家族」ってなんだろう。深く深く哲学的に考えさせてくれる。

この映画の素晴らしさは、「何度もみたい!」という点にあるだろう。10代の時にこの映画に出会ったとしたらそれはとてもラッキーだ。きっと、10代ではこの物語に登場するすべての人の気持ちを理解することは難しいだろう。20、30代で結婚や子供を授かったり人生の一大イベントがやってきたら、またこの映画を見て欲しい。親になると物語をみる視点は大きく変化するだろう。そして、自分に孫が出来たとき、もう一度この映画の存在を思い出したい。こんなにも何度も視点を変えて深くみられる映画はありそうでなかなかない。脚本が素晴らしいおかげで忘れた頃に何度も視点を変えて見られるであろうところがこの映画の魅力だ。

今、この瞬間にもしも私の人生がオワリを向かえることになったとしたら、私という存在は一人一人の家族の中でどのように生きていけるのか? どんな自分を覚えていてもらえるのだろうか? 自分自身が生きている一瞬一瞬の瞬間を大切にしたくなる、そんな映画に出会えた。

(文/杉本結)

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