もやもやレビュー

シーツ姿でさまよい続ける幽霊『A GHOST STORY 』

A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー [Blu-ray]
『A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー [Blu-ray]』
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最初に予告編を見た時に、こんなアイディア、ずるい、最高。なんで今までなかったんだろう。と感動してしまった。テーマはゴーストの視点から見た「死後の世界」。しかも、そのルックスは、白いシーツをまとっているのだ。

小さな一軒家に暮らす夫Cと妻M。ある日Cが交通事故で突然の死を迎える。Mは病院でCの死体を確認し、遺体にシーツを被せ病院を去るが、死んだはずのCはシーツを被った幽霊の状態で起き上がり、そのまま自宅まで帰ってくる。Mは彼の存在には気が付かないが、Cは妻を見守り続ける...。

見た人は、あれ?と気付くと思うのだが、この作品は画角が通常より狭いスクエアサイズの画面を採用している。これが幽霊から見た視点ということなのかな、と思ったし、ノスタルジーな雰囲気が時間の経過を非常にゆったりと感じさせる。まるで、それが永遠に続くような...。

さまよい続ける夫を演じるのは、ケイシー・アフレック。夫に先立たれる妻を演じるのはルーニー・マーラ。序盤で幽霊になってしまうので、それ以降二人がセリフを交わすことはない。映像的にも必要最低限のミニマムな動きしかないので、まるで写真を眺めているようだ。とりわけ印象的なシーンは、妻があるお菓子を食べ続けるシーンなのだが、人は悲しいとああやって食べ続けるとことがある。さめざめと泣くよりも、よりリアルに悲しみを表現した、とても美しいシーンなのだ。

(文/峰典子)

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