リバウンド恋愛の成功例、ここにあり。『ウェディング・シンガー』
- 『ウェディング・シンガー~特別編集版~ [Blu-ray]』
- ドリュー・バリモア,アダム・サンドラー,フランク・コラチ
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「恋の傷は新しい恋で癒す」女子SPAで見つけた言葉です。その行為は「リバウンド恋愛」と呼ばれるようで、要するに古い恋から新たな恋にリバウンドする(跳ね返る)、ということだとか。ところがダイエットでもリバウンドは望ましくないように、恋愛でもリバウンドはあまりいい印象を持たないようです。
たとえば、A子は元カレのC男をすぐにでも忘れようと、B男にリバウンド。でもA子は元カレのC男が忘れられず、リバウンド役に選ばれたB男は知らぬ間に元カレC男に敗れ、A子とは泣く泣く破局......そんな悲惨な結末も起こり得るのです。だんだんイメージが湧いてきましたか。ちなみにリバウンド恋愛とは、別れてすぐに新しい恋人を見つけた場合を指し示すそうで、それなりの期間をあけて見つけた恋人はそれに該当しないそうです。
でも、です。リバウンド恋愛が最高の恋愛に昇華することもあります。その成功例が描かれているのが、スーツに着せられたあどけないアダム・サンドラーが主演を務める「ウェディング・シンガー」(1998年)です。お相手は、10年に一度のペースで共演を果たし、その度に台本上、アダムと恋に落ちているドリュー・バリモア。
アダム演じるロビーはウェディングシンガーとして、ドリュー演じるジュリアはウェイトレスとして仕事をしている最中に披露宴会場で出会います。このふたりも実は結婚を控えている者同士。ところが不運にもロビーは結婚式当日に結婚相手にすっぽかされ、ジュリアは女遊びをこっそり楽しむだらしない男との結婚を控えている、という状況。そんななか、ロビーはひょんなことからジュリアの結婚式準備の手伝いに参戦、ふたりは次第に惹かれていき...。
この流れからするとジュリアはロビーのリバウンドにあたるのでは。もっといえば、結果としてダメな恋愛から抜け出せた最高のリバウンド恋愛なのでは。そして最高のリバウンド恋愛を築くコツは、ロビーが意図してリバウンドをしていないところにある、と読みました。この技を武器に失恋に立ち向かいましょう。
(文/鈴木未来)