パンクバンドのクレイジーで壮絶なリベンジ『グリーンルーム』
- 『グリーンルーム(字幕版)』
- アントン・イェルチン,イモージェン・プーツ,パトリック・スチュワート,メイコン・ブレア,アリア・ショウカット,ジェレミー・ソルニエ,ニール・コップ,アニシュ・サヴィアーニ,ヴィクター・モイヤーズ
- >> Amazon.co.jp
2017年に日本公開されたバイオレンススリラー『グリーンルーム』(製作は2015年)。若者が好きそうなパンクなビジュアルのジャケットが目を惹くこの作品ですが、なんとも壮絶な復讐劇が描かれていました。日本では、27歳という若さでこの世を去った俳優アントン・イェルチンの主演作としても話題になった一本です。
パット(アントン・イェルチン)がボーカルを務める売れないバンド「エイント・ライツ」。ツアーの報酬よりガソリン代の方が高くつくため、ガソリンを盗みながらツアーを回っていた彼らは、ある日ライブハウスを紹介されます。かなりの報酬だったため即OKした彼らは、ライブハウスに向いますが、そこはなんとネオナチの根城だったのです。ステージが終わった「エイント・ライツ」のメンバーは、グリーンルーム(楽屋)に忘れ物をしたことに気づき、戻ります。しかし、そこで殺人現場を目撃。彼らはネオナチ軍団から命を狙われ、さらにはグリーンルームに閉じ込められてしまいます。パンクな精神と共に、極悪非道なネオナチ軍団に立ち向かい、なんとかグリーンルームを脱出しようとしますが......。
本作は緊迫なシーンが「これでもか!」というくらい盛り込まれています。例えば、ネオナチだらけのライブハウスで「エイント・ライツ」が「Nazi Punk Fuck Off」という曲を披露したり、必死に頭を使いネオナチたちとグリーンルームのドア越しに交渉したり。それに加えグロテスクなシーンが多め。冷酷な大人立ちVS反骨精神溢れる若者との壮絶なバトルが繰り広げられています。一言で表すと「クレイジー」。思わず目をそむけたくなるシーンの先にあるエンドロールでは、なんともシュールな雰囲気が漂っていました。かなりミステリアスな魅力溢れる一本です。
(文/トキエス)