もやもやレビュー

訳分からない兵器は大体ナチスのせい『フランケンジョーズ』

フランケンジョーズ
『フランケンジョーズ』
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 クソ映画の巨匠たるマーク・ポロニア監督がサメ映画に手を出した結果、出来上がってしまったのが本作だ。マーク・ポロニア監督作品という時点で駄作が約束されているようなものだが、それでも視聴しないと落ち着かない気分にさせる麻薬的な魅力がなきにしもあらず。視聴したことを後悔して頭を抱えることが分かっていても、作品をチェックせざるを得ない。

 B級映画の悪役フリー素材と化したナチスが作り出した生物兵器のサメが人々を襲うパニック映画という体になっている。大抵のサメ映画は、どんなに酷くてもCGをサメに寄せるものだが本作はフォルムからしてサメじゃない。ヒレがあって大きな口という以外は単なる魚だ。それが落雷の影響で手が生え、巨大化し、陸上で動き回るのだから「サメとは?」という哲学的な気分になる。
 そんなサメが暴れるだけ暴れて最後はダイナマイトで爆発というB級サメ映画の王道な内容になっている。あらすじなんていうものは本作のホームページ上にしか存在しない。

 物語は破綻、映像技術は稚拙でよいところは一つもないのだが、その酷さが一々予想を裏切る斬新なもので却って魅力的に映る。真面目に映画を視聴するつもりで本作を観れば腹が立つだろうけど、酷い映画を撮る監督の作品と分かっていれば「どんな酷い作品なのだろう」と楽しくなってくる。本作は酒を片手にゲラゲラ笑うべきものであって、間違っても腰を据えて視聴する類のものではない。

(文/畑中雄也)

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