もやもやレビュー

酷過ぎて感動映画よりも泣ける『シャーク・イン・ベニス』

シャーク・イン・ベニス [DVD]
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 シラフで視聴すると選んだ己の愚かさに泣きたくなる映画だった。そこら辺の感動モノ映画など相手にならないレベルで泣ける。予告編には「ベニス名物 愛のゴンドラ噛み砕き!!!」なる珍妙なキャッチが踊っていた。その時点で地雷だと確信したが、サメとアドベンチャーとガンアクションと、ボンクラの好物を並べ立てるものだから万が一にも面白い可能性があるかも知れないと思った自分を殴りたい。ついでに視聴した記憶も消したい。

 あらすじは、主人公の父親がベニスで事故死した。主人公は死因がサメに襲われたことでないかと疑問を抱き公表しようとするが、ベニスにサメがいると知られると街がパニックになると警察から警告される。しかし、運河ではサメによる犠牲者が続出。主人公は父親が亡くなった場所を調査する中でメディチ家の財宝を見つける――という内容。
 これはAmazonの内容紹介を基にして書いたので、まだ何を言っているのか分かるけれど本作を視聴しただけであらすじを書くと、盗賊団が放流したサメのせいで自分たちも財宝を探せないため、主人公の恋人を人質にして財宝探しを強要。サメを放した理由は番犬代わりということらしいが、自分たちでさえ手に負えないのでは失敗以外の何ものでもない。しかし、そういう部分はスルーされて物語は進行する。一事が万事でこの調子のため、観ているそばから矛盾やほころびが生じ、視聴者を置き去りにする。大体、タイトルでベニスと謳っておきながら字幕ではベネチアと表記されている。その程度の整合性さえ取れていないのだから中身の酷さはお察しだ。

 ちなみに作中に出てくるサメはほぼCGではなく本物だが、露骨な資料映像の切り貼りだ。その時点で予算云々の前にやる気のなさを感じる。サメ映画への愛さえない。

(文/畑中雄也)

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