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デスゲーム×サメ=地獄『シャーク・ウィーク』

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 シャーク・ウィークは、米国のテレビ局・ディスカバリーチャンネルがサメへの関心を高めようと始めたイベントのこと。しかし本作はサメとデスゲームを掛け合わせ、物語がこんがらがった大変アタマの悪い作品となっている。

 そんな映画なので、あらすじらしいあらすじもないのだが、息子を失った麻薬王の父親が妻と一緒に裁判官や検事、捜査官など息子の死に関わりのある8人を拉致し、孤島へ拉致。見せしめに1人をサメが泳いでいるプールへと叩き落し食い殺させた後、毎日1種類のサメと出会い、そのサメを殺せば翌日まで生かしてやると説明される。わざわざサメと戦う理由のない7人は陸上を歩くが、地割れが起きて地下洞窟に落ちる。そこでさまざまな種類のサメと戦い、7人中6人が死亡。最後は皆を拉致した夫婦が襲い掛かるも妻は地雷を踏んで爆死、夫の麻薬王は自分が用意したサメに食われて死ぬ。

 B級映画なので脚本や演出なんて期待していないし、当然のように期待値に達していない。視点がブレまくるため、誰が主人公なのかさっぱり分からず没入できない。
何より、麻薬王がわざわざサメを使って復讐する理由がない。恨み骨髄ならより残酷な方法で殺害する手段はある訳で、デスゲームとサメを融合させるアイデアありきだったのだろうと察せられる。本作の公開は2012年とデスゲーム作品が雨後のたけのこのように量産された時期だし。

 本作に限らずサメ映画では登場人物の恐怖心を煽る目的でサメの種類や特徴を説明するシーンがよく差し込まれている。これに何の意味があるのだろうと思って米国に留学歴のある人間に訊ねたところ、冒頭のようにシャーク・ウィークなるものが存在している米国では一部の人間にとって恐怖を煽る効果があるらしい。もっとも、米国留学してサメ映画愛好家になって帰国した人間から聞いたことなので甚だ疑わしいが。

(文/畑中雄也)

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