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呆れるくらいにロマンティック『天文学者の恋文』

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漫画『のだめカンタービレ』の中に、指揮者・千秋真一のこんな台詞がある。「1500年くらい前は、神の作った世界の調和を知るための学問が、天文学、幾何学、数論、音楽だったんだ」と。

神の作った世界には驚かされることばかりだ。今現在、夜空に見えている星も、時間が経つと変化して宇宙から消える。我々が今見ているオリオン座の光は、近い星で500年前、遠い星で1500年前に光ったもの。もうすでにオリオン座が消滅している可能性だってあるのだ。星は死しても私たちを照らしている。

「天文学者の恋文」は、天文学者エドが、恋人エイミーに遺した謎を巡って展開されるラブストーリーである。冒頭、エドからメールを受けたエイミーが、その直後に彼の死を知るシーンから始まる。しかし、突然の訃報に動揺する彼女の元に、エドからのメールや手紙が次々と届く......。一体なぜ?本当は生きているの?

監督は『ニュー・シネマ・パラダイス』や『海の上のピアニスト』で知られる、イタリアの名監督ジュゼッペ・トルナトーレ。この作品について「僕は、天文学者に憧れがある。彼らは何億年も前に燃え尽きた星の光から多くを学ぼうとする」と語っている。エドの愛は、胸が苦しくなるほどにロマンティック。姿は見えなくても、光は届くのだ。

(文/峰典子)

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