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嘘で固める狂気な人生『リプリー』

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大風に灰を撒き散らすような出任せの嘘のことを、「灰撒くような嘘」というが、ひとつの偽言からスリリングな展開が巻き起こる、上質なサスペンス・スリラーを紹介したい。アラン・ドロンの名作『太陽がいっぱい』をリメイク、豪華キャストの競演で魅せる。マット・デイモン、 グウィネス・パルトロー、ジュード・ロウ、ケイト・ブランシェット。どの角度から見ても、ゴージャス。

舞台は1958年のニューヨーク。その日暮らしの生活を送る青年トム(マット・デイモン)は、ピアノ奏者の代役を務めたパーティーで、借り物の大学ブレザーを羽織ったことから、造船会社社長の大富豪に息子のディッキー(ジュード・ロウ)と同じプリンストン大学の卒業生と勘違いされてしまう。とっさにディッキーの友人を装ったトムは、富豪に気に入られ、放蕩三昧の息子を連れ戻してくれと頼まれる。これをチャンスと思ったトムは、大胆に虚言を重ねていく......。

駆け引きに次ぐ駆け引き。物語全体がひやひやとした緊張感に包まれる。偽物が本物になろうとするという要素があり、いつの間にか、トムの嘘に踊らされる。見ているこちら側まで共犯者にさせられてしまうのだ。スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャッツビー』が好きな人は絶対にハマるはず。

(文/峰典子)

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