もやもやレビュー

愛の力は人を変えることができるか『ビューティフルボーイ』

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今、製作陣と映画ファン(と私)のハートをがっちり掴んでいる役者といえば、間違いなくティモシー・シャラメの名前が真っ先に挙がるだろう。幼少期から映画やドラマに出演していたが、世界の注目を集めたのは『君の名前で僕を呼んで』。アーミー・ハマー演じる大学院生と恋に落ちる17歳の青年ティミーの繊細な演技が大絶賛され、インディペンデント系の映画賞を総なめにした後、2018年のアカデミー主演男優賞に初ノミネートされた。

『ビューティフル・ボーイ』の原作は二冊の書籍。Netflix作品などで活躍する脚本家ニック・シェフが過去に経験した薬物依存体験について記したノンフィクション。そして、それを支え続けた父親の手記。8年間に起きた出来事を双方の目線から描く、家族の愛と再生の物語である。

破壊へ身を投げるニックは、13回に及ぶ依存症再発、7つの治療センターを経験する。美しく繊細なティモシーの演技は、まるで薄いグラスで水を飲むよう。いつ壊れてしまうのか、一瞬たりとも目が離せない。

出演作は数多である。エマ・ワトソンやメリル・ストリープらと共演するグレタ・ガーウィグ監督の『若草物語』に、SF映画『デューン 砂の惑星』では主演を務める。日本未公開だった、『ホット・サマー・ナイツ』も8月に公開されたばかり。皆が彼に夢中なのだ。

(文/峰典子)

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