もやもやレビュー

不穏なタイトルがそのままオチに。『レクイエム・フォー・ドリーム』

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 端的に述べると「薬物に手を出したら人生詰んだでござるの巻」というお話。若い主人公をはじめ誰も彼もがヘロイン打ったばかりに腕を落とされ、薬物欲しさに街頭に立って売春したり刑務所に収容されたり、とタイトルに忠実過ぎるオチ。リア充爆殺映画だ。おまけに日本じゃヘロインがなかなか入手困難なので、視聴する我々にとっても安心。感情移入する部分がまるで皆無ゆえ、毎日のように漁港で暮らす私には爽快でっす!

 オチがタイトルで出ているので内容をかいつまみ説明する。無職の主人公がヘロイン購入のため母親が唯一大事にしているテレビを売っ払うという素敵過ぎる孝行息子が、彼女や友人とキメてキメて、おクスリの魔法が解けたら全員バッドエンド。希望の欠片すらない。

 視聴している私にはひたすら腐った魚の内臓を食べるような気分。とても嫌な気分になれる最悪の作品(褒め言葉)だ。

 もっとも、本当にリアルが充実していたら人生が終わるまで薬物をキメ込まないと思うが......。

(文/畑中雄也)

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