『闇金ウシジマくんPart2』を見て、面白いほど貯金額が増えた。

　真鍋昌平の大ヒットコミックを実写化した映画『闇金ウシジマくん』。その続編である本作は、前作に比べて、お金の価値が怖いほど分かる内容になっている。

　「10日で5割（トゴ）」「1日3割（ヒサン）」という違法な金利でお金を貸す、ウシジマくんが経営する闇金「カウカウファイナンス」。むちゃくちゃな金利にも関わらず、お金にだらしない客がどんどん押し寄せる。そんな"もう後がない"客のいろいろなストーリーが組み込まれる本作で、お金に対する人間の"悪い部分"が赤裸々に表現されている。

　注目してほしいのは、朝ドラ『まれ』にも出演中の門脇麦さんが演じる彩香。父親がリストラされ、高校を中退して喫茶店でバイトしているのだが、客がばらまいた小銭を必死で探し、「5円でも大切なお金ですから」と渡す、お金を大切にしている健気な女の子。
　そんな彼女がゲームセンターでホストの麗と出会い、人生初のホストクラブへ。そして、美容師になるのが夢だった彩香に、麗は美容師の道具をプレゼントする。そんな麗の優しさにどんどんハマっていってしまう彩香。麗をNo.1にするため、姉の保険証を利用してまでカウカウファイナンスでお金を借りようとするが、回収できなそうな人間にはお金を貸さないのがウシジマ君のルール。彩香は、ワリのいい仕事を紹介してもらい、AVにまで出演してしまう。

　出会い、恋した相手がホスト。それだけで彩香の人生は、面白いように転落していく。でも実際に、彩香のようにホストにハマり貢ぐ女性が存在するから、ホストは存在する。彩香も麗に貢いだお金を自分の夢に使っていれば、きっと美容師の夢も叶えられただろう。

　恐怖をも覚えさせられる本作を見れば、どうせお金を使うなら、自分にお金を投資することが正解のように思えてくる。そして、もう"後がない"となってしまった時のために、貯金を必死にしたくなる。本作は最悪なお金の使い方の教科書。5円ですら大切にする心を持ち続ければ、貯金額がどっと増えちゃうかも。

（文／アヤカ・ブルクレ）