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たまにはメールじゃなくて手紙書くのもいいかもね。『ジュリエットからの手紙』

ジュリエットからの手紙 [DVD]
『ジュリエットからの手紙 [DVD]』
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 あなたは最後にいつ手紙を書いただろうか。会社でふせんにちょっとしたメッセージを書いたりする以外は全て携帯やパソコンメールでやりとりする人も少なくないだろう。携帯電話がスマートフォンに進化してからの時代は、よりペンを持って紙と向き合うことがなくなってしまった。だが、手紙というのは相手を想いながら書き、もらった相手も気持ちを感じ取りながら読める素敵なものなのだ。『ジュリエットからの手紙』はそんな手紙が生み出すストーリー。

 シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」の舞台イタリア・ベローナに、婚前旅行に訪れたソフィとヴィクター。だが自分の店の開店を控えている料理人のヴィクターは、ワインなどの仕入れに夢中。ほったらかしにされたソフィはひとり、観光名所「ジュリエットの家」を訪れる。

 そこで、世界中から寄せられる恋愛相談の手紙に返事を書く"ジュリエットの秘書"というボランティア活動をする女性たちの存在を知ったソフィ。彼女たちの手伝いをする中で、古いレンガが抜け落ちた壁の奥に、偶然、50年前の手紙を見つける。

 手紙には、イタリアで恋に落ちた男性との愛を貫けなかった苦悩が綴られており、心打たれたソフィは彼女たちに頼んで返事を書かせてもらうことに。ソフィからの返事を受け取った手紙の差出人クレアは男性との再会を決意し、孫のチャーリーと一緒にイタリア・ベローナへ。ソフィも交えて、初恋の人探しの旅を始める。

 50年も前に書いた手紙が、時空を超え、自分の初恋の人を一緒に探してくれる人が現れるなんて、クレアは夢にも思わなかっただろう。一方のソフィも、クレアやチャーリーと一緒に旅をすることで、心境が徐々に変わっていく。

 たった1枚の手紙がたくさんの人に影響を与える本作を観れば、最近「愛している」と伝えていない恋人にラブレターを書いたり、実家の家族に感謝の気持ちを書いたり、きっと手紙を書きたくなるに違いない。たまには携帯のメールではなく、手紙で想いを伝えてみてはいかがだろうか。手紙を書けるような相手がいないなら......自分に書くのもいいかもね!

(文/アヤカ・ブルクレ)

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