もやもやレビュー

『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を超える』を観て、なぜかディズニー映画を思い出した。

ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える [DVD]
『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える [DVD]』
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ハングオーバーシリーズと言えば、フィル、ステュ、アラン、ダグの4人が結婚式前日にシングル最後のパーティーではっちゃけまくり泥酔し、大変なことをしでかしちゃう史上最強の二日酔いムービーである。その2作目である本作は、ステュの結婚式が行われるタイが舞台。

 前回の二の舞になりたくないと考えたステュとフィルは、アランが前回のように酒に何かしらの仕掛けをすることを恐れ、バーテンダーから受け取った新品のビールで乾杯し、最後のシングルパーティーを楽しんだ。二日酔いで目覚めると、そこは異国の地バンコク。彼らは見事にやらかしてしまったのだ。しかもシングルパーティーで一緒だったはずの花嫁の弟、テディが行方不明!彼らは必死で記憶をたどり、テディを探す。

 前作に引き続き、本作でも注目してほしいのが、アラン。テディを捜索中、バンコクで「なにか思い出せるかも?」と寺で瞑想し、泥酔した時のことを思い出すのだが、アランが思い浮かべるイメージの中の4人はなんと少年。見た目はオッサンだが、いつまでも子供でいたいという気持ちの現れなのだろう。彼の危なっかしい、やんちゃな行動や、「大人になりたくない!」と思い続けている様はまるでピーターパンを思い出す。

 また、タイで夜空にランタンを飛ばすシーンがあるのだが、夜空に光り輝くたくさんのランタンは、まるでディズニー映画『塔の上のラプンツェル』のようだった。

 それもそのはず。ラプンツェルで描かれるスカイランのモデルとなったのが、本作の舞台タイで行われる「コムローイ祭り」なのだ(ちなみに、スカイランタンは、タイ以外でも世界各国で行われている)。このスカイランタンは、ラプンツェルが「夜空に輝く光を自分の目で見る」という夢をやっと叶えられたシーンで有名。DVDのジャケットにもなるほど美しい。
 世間を感動に包むディズニー映画でも、史上最強の二日酔い映画でも、キレイな景色では登場人物全員が同じ"うっとり"とした表情をしている。

 ラプンツェルの世界に憧れを持つ人は、この映画で実写版を見ることが出来るのでオススメ。これから結婚式場を決める人もぜひ、キレイなタイの景色は参考にしてほしい。ただ、お酒の飲み方は参考にしないように。
 ファンタジーな舞台でも、おバカさんはやっぱり悪いことしちゃうんだね。酔っぱらい、なめたらあかん。

(文/アヤカ・ブルクレ)

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