もやもやレビュー

『男たちの挽歌』を観た。心底男に生まれたかった。

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 「女の友情はハムより薄い」。かつて月9ドラマ『私が恋愛できない理由』(2011年放送)の中に、そんな名台詞が出てきたそうです(観ていない)。どんなに仲が良くても、その裏には無意識に嫉妬が渦巻き、些細なきっかけひとつで儚く散っていく女の友情。正直、思い当たる節、あります。でもそんな女の世で生きるからこそ、憧れてしまうのが、ハードボイルド〜男の友情の世界〜であるのです。

 鳩と二丁拳銃の人として知られるジョン・ウー監督の出世作『男たちの挽歌』(1986年)。リアルに劇団ひとりにしか見えないチョウ・ユンファを主演に、男の友情と兄弟愛と、二丁拳銃を描いた傑作です。登場人物たちのダサかっこよさに目は釘付け。でもまだカラーが固まりきってない頃のジョン・ウーということで、鳩は登場しません。

 彼らの友情は、女同士におけるいわゆる「なかよし★」みたいな感覚とは全然違います。時には相手を本気で罵倒もするし、いざという時には本気で「お前のために死ねる」。本当の信頼関係が築かれているんです。裏表もなければ、見返りも求めない。友達が本気で困っている時には、本気出して助ける。猛烈シンプルなんです。

 でもこの憧れ、ないものねだりで終わらないかも知れません。働き過ぎが原因(?)で男性化している女性が最近多いんだとか。脆かった女の友情が、「女たちの挽歌」化する日も夢じゃないかもしれません。そうだ、もっと働こう! 未来の熱い友情のために。めざせアマゾネス!

(文/根本美保子)

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