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この世に失っちゃいけないものなんて、ないんだと思う。『塔の上のラプンツェル』

塔の上のラプンツェル [DVD]
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『アナと雪の女王』で大復活を遂げているディズニーが、記念すべき50作目として製作したのが『塔の上のラプンツェル』(2010年)。ディズニー初の3Dプリンセス映画である本作、個人的には『アナ〜』より主人公が魅力的に感じます!

 主人公は、常軌を逸するほど長いブロンドの髪を持つプリンセス、ラプンツェル。その美しい髪には、傷を治したり人を若返らせたりする不思議な力が生まれつき宿っています。で、もちろんその力を狙う者がいます。魔法の力を自分だけのものにしようと企むアブない女ゴーテルによって、生まれてすぐにさらわれてしまったのです。以来18年もの間、高い塔(というよりツリーハウス)に閉じ込められ、ゴーテルをお母さんだと思い込み、一度も外に出ることなく生活するラプンツェル。ところがある日、イケメン泥棒が家宅侵入してきたのをきっかけに、初めての家出に挑戦します!

 一度でも切れば、その力を失ってしまう魔法の髪の毛。確かにものすごく大事で守らないといけないもののように思えますが、それと同時に、ラプンツェルを苦しめる元凶でもあります。でも、子どもの頃からずーっと、髪の毛=大事なものと言われ続けてきたラプンツェルに、髪の毛を手放そう!という発想があるわけありません。彼女にとっては当然、守るべきものなんです。実際のところ、手放した瞬間に超自由になれるし、その力がなくなってもやっていけるはずなのに。

 私たちにも、ラプンツェルの髪の毛のように、これだけは失っちゃいけないんだ!ってモノがあります。例えば、家の本棚にある大量の本とか、勤めてる会社のブランドとか、貯金とか。でも、どれも実際に失ってみれば、案外大したことないのかも。と、無責任なことを言ったりして。

(文/根本美保子)

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