もやもやレビュー

白人コンプレックス、消えます。『ブエノスアイレス』

ブエノスアイレス
ブエノスアイレス 摂氏零度【ツインパック】 [DVD]
『ブエノスアイレス ブエノスアイレス 摂氏零度【ツインパック】 [DVD]』
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「ゲイですが、何か?」とでも言わんばかりに、のっけから当たり前に映し出される男同士の濃厚なベッドシーン。ウォン・カーウァイ『ブエノスアイレス』(1997)。公開から20年近く経つ今観ても、そのお洒落さと衝撃はまったく色あせることがありません!

 地球の反対側の異国の地アルゼンチンで繰り広げられる、トニー・レオンとレスリー・チャンの切ない愛。自身も同性愛者であるレスリー・チャンの、壊れそうなほどに刹那的な表情が本当に印象的です。一方のトニー・レオンは、同性愛者役はできない!と出演を固辞したものの、「ストーリー変わったから(嘘だけど!)」みたいな具合に騙されて、やむなく出演することになったそうです。が、そんないきさつなんてまったく感じさせない、演技を超えた演技を見せてくれます。

 しかし何よりすごいと思うのは、アジア人がこんなにもカッコよくお洒落であるという事実を、『ブエノスアイレス』がガチで示してくれていること。むしろこれ、主人公の2人が白人だったなら、美しさも切なさも半減するのではないでしょうか。単純に容姿面では白人にかなわないと思う人にも、アジア人でよかった! 黄色人種万歳! と思わせてくれる希少な映画。白人コンプレックスがある人は、家にDVDを常備しておくことをお勧めします。

(文/鬱川クリスティーン)

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