これを観て恋愛離れに歯止めを!『パンチドランク・ラブ』
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ジャケ買いをしてしまいました。一度は言ってみたかったセリフです。『パンチドランク・ラブ』は、世界三大監督賞に輝いている、ポール・トーマス・アンダーソン監督の2002年の作品です。
バリー(アダム・サンドラー)はロサンゼルスの倉庫街でトイレの詰まりを取るための吸盤棒をホテル向けに販売しています。ある朝早くに出社すると、隣の修理屋へ車を預けに来たリナ(エミリー・ワトソン)と出会います。
リナはかなりの肉食女子。自ら初デートの食事に誘ってすぐさまプチ告白し、自宅まで送ってくれるもすぐ帰ろうとするバリーに「キスしてほしかった」とか平気で言う。かわいい顔してグイグイいきます。
対するバリーは、リナにリードしてもらってやっと「また会おう」が言えるような奥手男子。でもこの方、自分に都合の悪いことがあると突然キレたり物にあたったりと精神に若干問題あり。しかも、リナと出会う前に利用したツーショットダイヤルで個人情報がだだ漏れし、フィリップ・シーモア・ホフマン達にお金をゆすられてしまいます。で、リナまでもケガをさせられます。
しかし、恋とゆすりが引き金となって、バリーは覚醒します。敵のアジト(家具屋さん)に一人で乗り込んでいき、「俺の中には力がみなぎっている。一生に一度の恋を。とてつもなく強くなっている」といって、相手に降参を言わしめるのです。恋にトラブルが加わると、どんな男だって覚醒するんです。
そんな彼が、頻繁に海外出張へ行くリナへ告白をするのですが、それが一風変わっていてステキでした。プリンを買いまくってキャンペーンのマイレージを貯めてリナの出張全てについていくんだ!というもの。一見セコくもあるけども、でもそれは奥手な彼らしいピュアで一途に彼女を想う気持ちが込められたとっても胸キュンなものでした。
いい恋は男を強くし、女を弱くすると聞いたことがありますが、ここにその実例をみました。20代の社会人男性の6割に恋人がいないというショッキングなニュースもありましたが、男性女性のパワーの逆転現象と恋愛離れはやはり繋がっているのかもしれません。とはいえ女性の方も5割は恋人がいないそうですが。
(文/森山梓)