もやもやレビュー

『サマータイムマシン・ブルース』を観て、エアコンのありがたさが身に沁みた

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 インドア派の方の夏の過ごし方といったら、エアコンをがんがんにかけた部屋で本を読んだり映画を見たり、というのが定番だと思います。でも、もしエアコンがなかったらどうなるでしょうか。今回紹介する『サマータイムマシン・ブルース』では、まさに「真夏に部室のエアコンが壊れる」という危機的な状況におかれた大学生たちが奮闘します。

 とある大学のSF研究会。部員はわずか5人のため、その場のノリだけで草野球をしたり銭湯に行ったりとSFそっちのけでダラダラと活動。そんな彼らを襲ったのが、誤ってコーラをエアコンのリモコンにこぼして起きた「エアコンなしの部室」という悲劇。そんな時、暑さに喘ぐ彼らの元に現れたのがタイムマシン!!! SF研なら発作を起こすくらい心踊る状況のはずですが、彼らが選んだのは22世紀でも戦国時代でもなく、昨日に戻り故障前のリモコンを奪還してくるというミッション。かくして、エアコンを復活させるべく「昨日」と「今日」のみの冒険が開始されます。

『踊る大捜査線』の本広克行監督がメガホンを取ったこともあり、一筋縄ではいかないこの映画。それぞれのシーンや登場人物の何気無い行動が、後々一つに繋がる瞬間のカタルシスは快感そのものです。また、この映画のすごい所は「暑さ」がものすごく生々しく映されている点。特にエアコンを失った部員たちが額に汗を浮かべてトランプに興じているシーンは、画面を通して湿気に満ちた暑苦しい空気が伝わってくるほどでした。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にも引けを取らないほどのSFの醍醐味を味わえると同時に、「エアコンがいかにありがたいものなのか」を伝えてくれる作品にもなっている本作。インドア生活の快適さを噛み締めるためにも是非。

(文/伊藤匠)

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