『抱きたいカンケイ』を観て世界で活躍する女性の舞台裏を考えた。
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- ナタリー・ポートマン,アシュトン・カッチャー,ケイリー・エルウィズ,ケヴィン・クライン,アイヴァン・ライトマン
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皆さまごきげんよう。この間まで巷を騒がせていた、舞台を欠席された方の理由が「寝てた」ということに、深い親近感を感じて止まなかった今日この頃です。
さて『抱きたいカンケイ』はナタリー・ポートマン演じる研修医のエマが面倒な恋愛を避けて、ボーイフレンドのアダムと都合のいい身体だけの関係を築いてみた。みたけれど。という作品です。
作中でエマは研修医仲間と4人で家をシェアしており(内3人が女子、1人がゲイ男子)、揃って生理になって全員が体調最悪、人格凶暴化というシーンが出てきます(なぜかゲイ男子も同調)。
4人ともソファに沈み込んでハーブティーをすすったり湯たんぽでおなかを温めたりと状況緩和に勤しんでいるところへ、みんなの具合が悪いことを知ったアダムがカップケーキを箱買いしてきてくれます。女子たち(とゲイ男子)はチョコのケーキを競って食べ、さらにアダムは自ら選曲して焼いてきてくれたCD(名付けて「生理MIX」!)をかけて、子宮にイイ(何が入っているのでしょうか?)というスープを作って振舞ってくれ、何ともほっこりするのです。
この辺りの体調・気分ともに最悪という生理期間中の自分との折り合いの付け方が何ともリアルで、国が変わってもみんな一緒なんだなーとしみじみ。
今でこそ「冷え取り」という言葉がだいぶ認知されてきましたが、昔は自分が冷えていることさえ気付かず生理痛は悶絶モノ。今はなりふり構わず「温める」というコマンドを使うことで、だいぶ軽やかに毎月を通り抜けられるようになりました。
いつもキリリと美しく、スマートに仕事しているあの同僚も女優もファーストレディも女王陛下もみんな、生理中はソファに沈んでパートナーに駄々をこねたりしているのかも、と思うと世界がちょっと立体的に、おもしろく見えてくる気がします。
(文/小野好美)