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これは映画版ユンケルだ!!!『300(スリーハンドレッド)』

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 時々、無性に焼肉やステーキが食べたくなります。モヤモヤやグダグダを、リセットできるような気がするからです。実際には、たいした効果はありません。それと同じ原理で、時々無性に観たくなる映画がある。テルモピュライの戦いを元ネタとして、パンツ一丁で100万の軍勢に挑む、300人のスパルタ兵を描いた『300(スリーハンドレッド)』。映画である前に、焼肉であり、ステーキ。財布に余裕がない時に、肉への欲望を満たしてくれる素晴らしい作品です。

 原作は、フランク・ミラーによるアメリカン・コミック。フランク・ミラーは『シン・シティ』で自作を映画化し監督デビューもしています。で、監督は今年公開の『マン・オブ・スティール』でもメガホンをとっているザック・スナイダー。歴史を題材にした映画ではありますが、史実よりもカッコよさを優先。戦争なのに赤マントにパンツ一丁という変態的な風貌のスパルタ兵(原作マンガだとパンツすら履いてないヤツもいます)。「THIS IS SPARTAAAA!!!」という決め台詞とともに、服従を求めてくる敵の無礼な使者を巨大な穴へドーーーン!!!と蹴り落とすレオニダス王。腹筋バキバキの300人の男たちによるザ・男のかけ声。明らかに劣勢なのに「HAHAHAHA」と不敵に笑い、栄光の死を喜ぶ変態兵士。とにかくアガる。とにかくカッコいい。そして、自らを戦いのプロだと自信を持って豪語する男たちに感服です。取引先にプロとしてどうなの?とか怒られてるお前は、戦の後始末でもしてろ!!!ってことなんです。そういうことなんです・・・。

 って、ちょっと暗くなってしまいましたが。あと全然観たいと思っていない女性の皆さん。ガチムチ映画は男の特権みたいなイメージがありますが、『300』は違います。ただただ魅せる。とにかくカッコいいので、女性だって男性ホルモンをザワザワさせながら興奮できます。プロとしての誇りを持て。戦いの場にはあえて軽装でいけ。そして劣勢の時は、強い敵と戦える喜びを噛みしめながら笑え。シンプルで力強い教えがそこにはあります。これらのことは、もちろん意中の人を射止めたい時にも役立つはずです。

 ステーキを食べに行けない夜、最強のコストパフォーマンスで己を奮起させてくれる『300』。金欠の人はぜひ借りて観てください。たぶんユンケルぐらい効きます。

(文/鬱川クリスティーン)

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