SNS時代の『太陽を盗んだ男』は誰だ?
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『太陽を盗んだ男』は教師である普通の男が、ある日原子力発電所からプルトニウムを蒸す見出し、メディアを使ってしょうもない要求をする(野球のナイターを完全中継しろ)などして警察を翻弄して、狂気を弄ぶカルトムービーである。
その設定がまずぶっ飛んでいて、今ならコンプラに引っかかりそうであるが、その様は、のちのグリコ・森永事件にも影響を与えたとも思える内容(詳細はググってください)で、劇場型犯罪の嚆矢ようでもある。
携帯やSNSが発達した現代では、新聞やテレビを使った劇場型犯罪はもうできなくなってしまったが(GPSで探知されるし)、むしろ、インフルエンサーがSNSで大衆をあやつる様こそが、劇場型そのものであり、犯罪が行われている現実がそこにある。そういう意味では、現代にも十分通じる映画なのである。
モチーフの原子爆弾というのも現代的である。これは深くいうまでもないだろう。十分示唆的である。この映画が作られたのは1979年である。約45年前に問題視されていたことが、未だ解決されていない現実。そこも考えさせられる。
個人の幼児的な欲望と大衆の操られたい欲望の悪魔合体。それは今も現在進行形で起きていることである。それが何かは各かく個人で考えてもらいたい。
(文/神田桂一)

