もやもやレビュー

魅惑と疑念のサスペンス『白いドレスの女』

白いドレスの女 [Blu-ray]
『白いドレスの女 [Blu-ray]』
キャスリーン・ターナー,ウィリアム・ハート,リチャード・クレンナ,ローレンス・カスダン
Happinet
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近年、「頂き女子」という言葉を耳にするように、女性に翻弄され痛い目を見た男性のエピソードがネットにあふれています。そんな「美しい女性にやられてしまった!」と思わされる映画は数多くありますが、その中でも傑作として語り継がれる一本が1982年公開の『白いドレスの女』です。主演はウィリアム・ハートとキャスリーン・ターナー。当時ジョージ・ルーカスと共同で『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』を執筆したばかりの若き天才ローレンス・カスダンが脚本・監督を務めました。

舞台は蒸し暑いフロリダ。弁護士ネッド・レイシン(ウィリアム・ハート)は、海辺で白いドレスを着た美しい女性マティ・ウォーカー(キャスリーン・ターナー)と出会います。強く惹かれるネッドに対し、マティは「結婚しているの」と突き放しますが、彼女の言葉をきっかけにネッドは豪邸に暮らすマティを訪ねることに。彼女は年上の夫にうんざりしていると明かし、やがて二人は激しい不倫関係に落ちていきます。次第に邪魔になった夫を殺害するというアイディアが二人の間に浮かびます。ネッドは彼女と一緒になるために手を汚していきますが、その裏でマティの不穏な行動が少しずつ明るみになり......。

ネッドとマティの恋は情熱的で、観ていると「二人の愛は本物なのかもしれない」と信じたくなるなりますが、それと同時に、彼女の一つ一つの言動に不信感が募っていきます。見ている私もネッドと同じように翻弄されていきました。マティの魅力と説得力のある言葉に心を揺さぶられながらも、「もしかして彼女は......?」と疑念を抱かずにはいられない。そんな心理戦に引き込まれる作品です。

また本作には、現代では考えられないほど女性を見下す男性の台詞がいくつも登場します。「女に騙されるはずがない」と豪語する男たちが、次々に疑念と不安にのみ込まれていく姿に、どこか皮肉でありながら、恐怖も感じさせられました。

(文/トキエス)

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