高熱を出した時に見る幻覚よりも不条理『ワニゲーター』

- 『ワニゲーター』
- ポール・デール,オースティン・ノールティ,マノン・ページス,オースティン・フロッシュ,ショーン・フェラン,カータ・シモー,ケニー・ベラウ,ポール・デール,チャールズ・アーリー,ソフィア・ブラズダ

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まともに視聴したら酷い駄作なのだろうが、サメ映画を楽しめる層にとってはワニが基本出てこないことも、ソフトビニール製のワニを相手に俳優たちがパニックに陥る演技をしている様も十分に受容できるのではないだろうか。受容したところで得るものは皆無だが......。
そんな作品にあらすじという上等なものは存在しない訳だが、一応予告編や動画配信サイトには記載があるので要約しておこう。
「ゲーターフェスティバル」を6日後に控えるティボドー市の人々は浮かれていた。そんな中、住民のフランクがトイレで何かに食い殺される事件が発生。現場に駆け付けた保安官のミッチェルは、ワニが下水からフランクを殺害したと断定する。その後もワニによる死亡事故が多発。湿地調査員のローラが駆けつけ事態に対応するも、既にはワニが大量発生していた――という内容。内容というほどの内容がないところに痺れる。
冒頭でフランクがブリブリという音を奏でるところから始まり、もう最悪の気分に。次の瞬間には足首だけになっている無駄な展開の速さ。
その後、市民たちがソフビのワニに襲われるシーンがいくつか入り、事態はワニに懸賞金がかかり祭りを盛り上げるイベントに。そもそも、ワニを祝う祭りとは一体何なのか。当然、61分の短い尺では一切触れられることはない。
ワニの専門家であるローラの協力のもと、下水道にワニの巣を発見。大量の子ワニと一緒に発生源である母ワニの姿が。
一方で、地上では市民のほか市長もワニに襲われ大パニックに。動かないソフビのワニを相手に恐怖する演技をする俳優たちのすごさに思いをはせる。
地上がそんな塩梅なので下水道にいるミッチェルたちもワニの襲撃に遭う。何でか知らないが布教で街を訊ねたモルモン教徒がワニ味のカップ麺を食べて倒れるシーンが流れてきたかと思ったら下水処理場が爆発。炎に包まれもだえ苦しむ母ワニ。そこをローラが銃で射殺し、エンドロールへ。
エンドロールが流れて終わりかと思ったら陰謀論者のポッドキャスト風。ワニは政府の陰謀だとか言い出し作品は終了する。書いていて本当にこんな作品があるのか視聴したのに疑わしい。高熱でうなされた時の幻覚だってもう少し理解できる構成になっている。酷い以上の感想はないし人に勧めることも絶対にないが、どういう訳か本作には続編があるという。
(文/畑中雄也)

