もやもやレビュー

ヒット作品の面影がまるで残っていない別作品『霊幻道士XIII 鳳凰キョンシーの襲来』

霊幻道士ⅩⅢ 鳳凰キョンシーの襲来(字幕/吹替)
『霊幻道士ⅩⅢ 鳳凰キョンシーの襲来(字幕/吹替)』
ホアン・カイ,リン・ジエンフン,チン・シュウホウ,ワン・ユンファン,フー・メイシュアン,ヒネル・ピナ・マヌエル,クロレンコ・ティムル
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 『霊幻道士』シリーズと言えば『幽幻道士』シリーズと並び、中高年なら子供の頃に熱狂した作品の一つだろう。ご多分に漏れず自身も釘付けになって視聴したことを思い出し、懐かしさから即座に視聴。ジャケットには「正統派シリーズ」という文字が大書され、幼い日の興奮を中年になっても味わえるかも知れないと思って85分を過ごした。そしてB級サメ映画ばりにキョンシーが出てこないことに唖然として時だけが無為に過ぎて行った。流石にキョンシーが冒頭で出てきて終わりでは騙されたような気分になる。

 鳳凰島の名家の大旦那が急死し、主人公の豪道士が葬儀を執り行っていると大旦那はキョンシーとして棺桶から飛び出し暴れ出す。豪道士がキョンシーを鎮圧し事なきを得たが、大旦那のキョンシー化には裏があると考え、弟子の石頭と監察医である娘の青雅と調査に乗り出す――というあらすじ。

 あまりに荒唐無稽で何を言っているのか皆目分からない。鳥がキョンシーって何だ一体。もっとも、この鳥はキョンシーではないのだけども。

鳥を追っていた豪道士が村に着くと、何かを知っている様子の村長から急いで犠牲者の葬儀と埋葬を依頼される。すると犠牲者たちが一斉にキョンシーとして復活し、豪道士が華麗なアクションでキョンシーを倒していく。
 しかし、キョンシーとのバトルは幻覚で、死体から発生したガスの影響で幻覚を見ていただけだった。いや、そこはキョンシーとして扱おうよ、出番少ないんだし。

 豪道士が正気を取り戻すと巨大な鳥が村に襲来。村の人々を襲いどこかへ消えた。村の医師であるチャールズは人々の傷からウイルスを検出。このままではけが人の命が危ないと診断し、治療には巨大な鳥を捕獲してワクチンを作らなければならないと訴える。

 豪道士らが鳥を探しに行くと村長とチャールズは密談を始める。実は鳥を祭りの出し物にしようと、チャールズに巨大化を指示。ところが鳥が狂暴化してしまい、今回の惨状を生み出してしまったのだという。

 豪道士たちは巨大鳥の巣を発見し捕獲に成功するが、その途中で娘の青雅が傷を負ってしまう。チャールズがワクチンを開発し鳥によってけがを負った人たちへの接種が始まると、その人たちは次々と失踪してしまう。

 実はチャールズが村長の秘書を時期村長にするとそそのかし誘拐させていた。息子の病気を治療するためワクチン接種者を実験台とし、青雅も囚われの身に。最後は豪道士が解決するのだが、途中から笛を吹いて鳥を呼び巨大鳥と戦わせるという延々とCGが続く。

 ハッピーエンドで終わるものの、鳥はキョンシーではないし見どころのアクションシーンは幻覚だし、子供騙しも甚だしい。13作も続くとネタ切れでこんな酷い脚本になるのかと愕然としてしまったが、5作目あたりからロクにキョンシーが出てこない作品になっているようだった。作品として雑なのはもちろん、思い出が汚された気分になる作品だった。

(文/畑中雄也)

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