女性が"選択の権利"を勝ち取るまで『コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話-』

- 『コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー』
- フィリス・ナジー,ヘイリー・ショア,ロシャン・セティ,エリザベス・バンクス,シガニ―・ウィーバー

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昨年、アメリカで人工妊娠中絶の合法性をめぐる議論が再燃。2025年1月、トランプ前大統領がワシントンで行われた中絶反対派のデモに参加したことは、日本でも大きく報道されました。現在、レイプや母体の危険を除き中絶を全面禁止しているアメリカの州は14も存在します。そんな今だからこそ見てほしいのが、シガニー・ウィーバーとエリザベス・バンクスが共演する映画『コール・ジェーン ―女性たちの秘密の電話―』。本作は、実在した中絶支援団体「ジェーン・コレクティブ」をモデルに、1960年代のアメリカで"女性の選択の権利"を求めて立ち上がった女性たちの姿を描いています。
舞台は中絶が違法だった1960年代のシカゴ。中流階級の主婦ジョイ(エリザベス・バンクス)は、第二子の妊娠中に命の危険を伴う心臓の病気が見つかります。中絶が唯一の選択肢であるにも関わらず、男性ばかりの病院理事会は彼女の訴えを却下。絶望の中、ジョイは「ジェーンに電話して」という広告を見つけ、秘密裏に中絶支援を行う団体と接触します。処置後、彼女はグループのリーダーであるヴァージニア(シガニー・ウィーバー)に出会い、ジェーンが"特定の女性"ではなく、支援に携わる全員を指す名前であることを知ります。その活動に心を動かされたジョイは、自らも"ジェーン"として活動する決意を固めていきます。
ジョイの中絶までの経験は、映画開始30分で幕をとじますが、その後のジョイの活躍こそが本作の核の部分。一般の専業主婦が、医師の手伝いをし、「あなたは看護師になれただろう」とまで言われる存在に成長。やがて彼女は、中絶の手術に関しても勉強していきます。"ジェーン"に電話してくる女性の中には、レイプの被害者やわずか11歳の少女、あるいは中絶できずに階段から落ちて流産を試みた女性も。その一人ひとりの証言が、社会の闇をあぶりだしていきます。
女性が命を守り、権利を得るために手を取り合った、実在の団体の記録。社会の在り方に疑問を感じているすべての人に、ぜひ一度観てほしい一本です。
(文/トキエス)

