もやもやレビュー

子どもの嫉妬と不安と、危険ないたずら。『リトル・エッラ』

リトル・エッラ
『リトル・エッラ』
クリスティアン・ロー,ペッテル・リンドブラード,サーラ・シェー,エッラ・レムハーゲン,ヤンネ・ヴィエルト,サーラ・シェー,アグネス・コリアンデル,シーモン・J・ベリエル,ティボール・ルーカス,ダニヤ・ゼイダニオグル,ウィリアム・スペッツ,インゲル・ニルセン
商品を購入する
>> Amazon.co.jp

 スウェーデン出身の人気絵本作家ピア・リンデンバウムの『リトルズラタンと大好きなおじさん』を原作に、『ロスバンド』のクリスティアン・ロー監督が映画化したスウェーデン映画『リトル・エッラ』を今回はご紹介します。

 主人公は、人と仲良くするのが苦手なエッラ。唯一心を許せるのは、大好きなおじさんで"永遠の親友"のトミーだけ。両親が休暇で出掛けている間、トミーと過ごすのを楽しみにしていたエッラでしたが、オランダからトミーの恋人スティーブがやってきます。

 トミーとスティーブの英語での会話にも入れず、のけ者にされたように感じたエッラ。トミーを取られるのではないかと嫉妬と不安に駆られます。親友を取り返したいエッラは、転校生オットーの力を借りて、ちょっと危険なスティーブ追い出し作戦を実行します。

 その内容は、砂糖と塩の中身を入れ替えて、塩をたっぷり入れたコーヒーを飲ませる。オットーのペットのネズミをカバンに忍ばせる。バリカンでスキンヘッドにする、などなど。子どもらしくてかわいい!で済ませるには、だいぶやりすぎ。
 しかし、当のスティーブはまったく怒る様子もなく、そんな彼の魅力にますます惹かれたトミーとの愛が深まってしまいます。
 
 絵本が原作の本作。家族みんなで楽しめるファミリームービーである一方で、同性愛や移民など、多様性社会のなかで生きる人々が当たり前に描かれていることも、本作の魅力です。

(文/森山梓)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム