ひたすらデブがしごきを受けるだけ『フルメタルジャケット』
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- マシュー・モディーン,リー・アーメイ,ビンセント・ドノフリオ,スタンリー・キューブリック
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スタンリー・キューブリック監督のベトナム戦争映画『フルメタル・ジャケット』。なぜかベトナム戦争映画に惹かれてしまうので、ベトナム戦争映画は大概観てしまうのだが、キューブリック映画は、悲惨ながらも、コミカルな映画だった。二部構成なのだが、前半は、デブ(劇中では微笑みデブというあだ名がつけられる)が、訓練についていけず、ひたすら、しごかれる様子が描かれる。
失敗すると連帯責任なので、全員腕立てなどをやらされるので、次第にみんなに恨まれて、夜中に全員から殴られるなどの暴行を受けてしまう。微笑みデブは精神的にも参ってしまい、やっとのこさ、射撃という得意技と手に入れたにもかかわらず、時すでに遅し。その頃にはもう狂ってしまっていて、長官を狙撃。自らも自殺して第一部は終わるという救いなしの内容。
二部はもうちょっとシリアスで、戦場でのアメリカ兵と、ひとりのゲリラベトナム女性兵士との戦いの描写。これも、ひとりの女性兵士にアメリカ兵がボコボコやられていく。爽快ですらある。
どちらにしても、なんでこんなことしてんの?という滑稽さが戦争の真実の一側面であることには間違いない。だからこそ、戦争はやめなければならないというのが僕の意見なのだけどどうだろうか。
(文/神田桂一)

