映画作りって素晴らしい！『フォールガイ』

近年、AIの技術によって大打撃を受けている映画業界。そんな業界の中で、AIに対抗し、体を張ったスタントマンに焦点を当てた映画『フォールガイ』を今回はご紹介。主演は『バービー』でケンを演じ話題となったライアン・ゴズリング、そして彼の相手役にイギリスの人気女優エミリー・ブランドが出演しています。クスッと笑えるラブコメで、アクションと笑いがたっぷりな良質な一本に仕上がっています。

ライアン・ゴズリング演じるコルトは、人気俳優トム・ライダー（アーロン・テイラー＝ジョンソン）のスタントマン。恋人のジョディ（エミリー・ブラント）も働くトム主演映画の撮影現場で落下スタントを撮影するも、事故で重傷を負い、プロとしてのキャリアを断念します。しかし数年後、プロデューサーから電話を受け、元恋人ジョディが初監督を務める映画のスタントを務めることに。こうして映画の世界に舞い戻ってきたコルトでしたが、主演のトムが失踪したことを受け、撮影をこなしながらもトムを探すことに。

本作の監督を務めたのは、『ブレット・トレイン』『ワイルド・スピード　スーパーコンボ』のデビッド・リーチ。スタントマンのコルトを演じるライアンにももちろん本物のスタトマンがいるわけで、本作のエンドロールでは、何十人ものスタントマンが協力し合って本作を仕上げている様子を見ることができます。クレイジーなスタントが満載の2時間は、映画を本気で作っている人たちの努力が詰め込まれた一本で、「AIになんて負けない！」というメッセージが込められているようにも思えました。

そんな本作、実はギネス世界記録も達成。キャノンロールと呼ばれる8.5回車を回転させるワザを2度目にして、最多記録でギネス世界記録を更新しました。本作でもセリフの中でこの事実に触れられています。ちなみに冒頭では、コルトの落下シーンが映し出されますが、ライアンは高所恐怖症にもかかわらず150フィート（約45メートル）の高さから落下するシーンを撮影。こうして誰もが体を張ったアクション映画は、見どころたっぷりの一本。

（文／トキエス）