臓器提供のために生まれた子どもたちが考える「未来」『私を離さないで』
- 『わたしを離さないで (字幕版)』
- Mark Romanek,Andrew Garfield,Keira Knightley,Carey Mulligan,Charlotte Rampling,Sally Hawkins,Nathalie Richard,Andrea Riseborough,Domhnall Gleeson,Charlie Rowe,Ella Purnell,Isobel Meikle-Small,Kate Bowes Renna,Hannah Sharp,Christina Carrafiell,Oliver Parsons,Luke Bryant,Fidelis Morgan,Damien Thomas,David Sterne,Lydia Wilson,Monica Dolan,Chidi Chickwe,Huggy Leaver,Charles Cork,Sylvie MacDonald,Kate Sissons,Amy Lennox,Anna-Maria Everett,John Gillespie,Rachel Boss
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日本生まれのイギリス人作家カズオ・イシグロの同名小説が原作の映画『私を離さないで』。英国の寄宿学校を舞台に、臓器提供のために生まれた子どもたちがどう生きていくかを描いた本作は、キャリー・マリガン、キーラ・ナイトレイ、アンドリュー・ガーフィールドと豪華俳優陣が共演したことでも話題になりました。
人里離れた英国の寄宿学校ヘイルシャム。キャシー、ルース、トミーら子どもたちは、創作活動などに励みながら学校内で育てられました。ある時、学校の先生から「あなたたちが将来、俳優になることも、スーパーの店員になることもありません。あなたたちの人生は決まっているのです」と告げられる子どもたち。彼らは、臓器提供のドナーになるために生まれてきた子どもたちだったのです。やがて18歳になりヘイルシャムを出た3人は農場のコテージで共同生活を始め、そこで「本当に恋に落ちているカップルは猶予がついて3年ほど臓器提供を遅らすことができる」というウワサを耳にします。
自分たちは長生きできないと知った若者たち。コメディドラマを見ても、「現実はどうせ違うもの」と思い、夢や理想を持つこともできない。若いうちから死を受け止めている彼らの放つセリフや、心情はかなりリアルで、死に向き合うということがこんなにも辛いことなのかと気付かされます。その一方で、人生において「希望」にしがみつくことの大切さも教えられます。
ちなみに主演のキャリー・マリガンは原作小説の大ファン。いつか映画化されることを確信していた彼女は、自分以外の誰かがキャシーを演じることに耐えられなかったそう。彼女は積極的に行動しこの役を勝ち取ったのだとか。豪華俳優陣が共演した本作。涙を流したい時にぜひ。
(文/トキエス)